自動車業界は電動化やカーボンニュートラル、新技術の進化、消費者ニーズの変化など、さまざまな課題に直面している。変化が激しい環境の中で、求められる戦略は何か。未来を切り開くには、どうすればいいのか。本連載では、自動車業界の未来を多角的に分析・解説していく。
日本で一番売れているクルマは軽自動車のホンダN-BOXだが、ライトミニバンやコンパクトSUVも需要が高く、競争が激しいカテゴリーだ。
そこでは、販売力から見てもトヨタのルーミーとライズが首位を走るのは納得だが、意外と善戦しているのがソリオ、クロスビーといったスズキ車だ。普通車のブランド別登録台数では、常に50位以内をキープする人気ぶりを誇っている。
特にユニークな存在なのがクロスビーだろう。2025年10月、大掛かりなマイナーチェンジを受けた。上質感が高まり、ソリオや軽自動車のハスラーとのすみ分けが明確になった印象がある。
マイナーチェンジ前のクロスビーは、SUVらしさがいささか中途半端だった。ハスラーよりも上級感を強調するためか、スラント(傾斜)したノーズにクロームメッキの加飾を施していたが、インテリアはボディカラーと同色のワイドパネルやメーターカウルを備えてポップな印象だった。
軽規格のサイズの制約から解き放たれたことでデザインの自由度は高まったが、どっち付かずのような曖昧な印象で、このクルマの魅力や強みを伝え切れていなかったのだ。
そこで大胆なモデルチェンジを実施。魅力が再認識されたことで人気が高まったのだ。
何しろ、モデルチェンジ前は月販700〜1000台前後だったが、10月以降は倍増。新型投入による効果もあるが、8年ものロングセラーを続けた人気モデルがマイナーチェンジでここまで伸びるのは異例ともいえる。
今回、記事制作にあたって新型クロスビーを試乗した。加えて、開発を担当した商品企画本部 四輪軽・A商品統括部 チーフエンジニアの飯田茂氏に、モデルチェンジの経緯について聞いた。
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