「空とつながる青の絶景」――茨城県ひたちなか市の国営ひたち海浜公園の、丘いっぱいに咲く青い花「ネモフィラ」。450万本の花が咲き誇り、一面が青色で染まるフォトジェニックな光景を見るべく、このGWには多くの人が押し掛けた。
17年のGW(4月29日〜5月7日の計9日間)の来場者数は58万3000人。16年の36万5000人から20万人以上の大幅増だ。期間中の総入園者数、平均入園者数、1日の入園者数が開園以来の過去最多となった。
ネモフィラ植栽を始めたのは01年。徐々に植栽面積を広くしていき、08年に現在の規模となった。人気に火が付いたのは15年のGW。北陸新幹線の開通や、上野東京ラインの開業など、茨城県へのアクセスが容易になり、GWの注目スポットとして国内外のメディアで取り上げられた。
15年度の年間入園者数は213万人で、1990年の開園から初めて200万人を突破。続く16年度は満開の時期がGWから早まったために5月の来場者数が減り、全体としては207万人と微減したものの、それでも2年連続の200万人越えとなった。国内の観光客の増加はもちろん、外国客も増加中。外国人団体利用者数(20人以上)は、14年度は1300人だったが、15年度には5400人、16年度には2万1000人と急速に伸びている。
そして17年度は、GW期間中過去最多の入場者数と、幸先のいいスタートを切った。なぜ今年は20万人以上も来場者が増加したのだろうか。
ひたち海浜公園の広報担当者によると、「後半が5連休になるなど日取りがよく、天気に恵まれた。また16年は咲く時期が前倒しになっていたが、今年はGW期間中にネモフィラが見ごろとなった。また、SNSの普及によって、多くのお客さまの知名度が上がった。特にInstagram(インスタグラム)の影響が大きい」という。
パスチャーが発表した「Instagramから読み取くGWの人気スポット」調査で、東京ディズニーシーや東京ディズニーランドを抑えて1位となったのがひたち海浜公園。「ひたち海浜公園」「ネモフィラ」などのハッシュタグで検索すると、GW中に撮影したネモフィラの写真が数多く投稿されている。「インスタ映え」する光景を撮り、SNSに投稿したい――ネモフィラ人気の白熱の裏には、そんなニーズがあった。
人気が高まる一方で、課題も生まれてきている。主要交通機関の大混雑だ。バスや電車は期間中の増便で対応したものの、特に自家用車の来客が多く、メインの駐車場は渋滞が発生していた。「今年度も行っていることではあるが、来年度以降も地元地域と連携し、交通機関の混雑の解消には取り組んでいく」(担当者)という。
ひたち海浜公園は、季節ごとに見どころを用意しており、秋は赤いコキアが有名。一面の赤もまた、「インスタ映え」する光景だ。
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