釣り人の味方「水中ドローン」登場 魚群探知や誘導もVRで水中映像も楽しめる

» 2017年05月16日 16時07分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]

 ロボットの開発・提供を手掛ける中国PowerVisionは5月16日、水中ドローンの「PowerRay」を日本向けに発売すると発表した。魚釣り、ダイビング、船の操縦など、アウトドアやマリンスポーツ好きのユーザーを主なターゲットに想定している。

photo 水中ドローンの「PowerRay」

 PowerRayは、有線のコントローラーやスマートフォンアプリで操作できる水中ドローン。海水・淡水を問わず水深30メートル以内での操作が可能という。日本向けに発売するのは、エントリーモデルの「EXPLORER」(税別16万8000円)、魚釣りに特化した機能を持つ「ANGLER」(同20万8000円)、VR(仮想現実)に対応する最上級モデルの「WIZARD」(同21万8000円)――の3機種。

 初年度の売り上げ目標は、3機種合計で約115億円。16日から事前予約を受け付け、7月中旬をめどに発送する予定。

 3機種ともに、サイズは465(幅)×270(奥行き)×126(高さ)ミリ。前方には4K対応の高画質カメラを搭載し、スマホアプリを介して水中の写真や動画を撮影可能だ。データの保存容量は、EXPLORERとANGLERが32GB、WIZARDが64GB。

photo 前方に搭載するカメラ

 ANGLERとWIZARDは、魚群探知機、魚群誘導灯、自動釣り餌投下機を備える。ユーザーは、スマホアプリで魚群の位置や水温を確認しつつ、誘導灯をともして魚をおびきよせ、釣り餌投下機を遠隔操作して餌をまくなど、PowerRayを魚釣りのサポート役として活用できるという。

photo 魚群探知機は取り外しが可能だ

 WIZARDはVRに対応しており、独Carl Zeiss製のVRヘッドセット「VR ONE PLUS」が付属。ドローンのカメラで撮影した海中のVR映像をヘッドセットで鑑賞できる。

photo 付属するVRヘッドセット

 PowerVisionのセージ・ラターマン取締役は、「当社は、幅広いユーザーのニーズに対応することを重視している。PowerRayは、魚釣りなどのレジャー目的はもちろんのこと、海中の研究や、危険時のレスキューなど、幅広い用途で使用できる」と自信を見せる。

photo 水中でのデモの様子

 発売当初は、コントローラーと接続するケーブルの長さは50メートルだが、今後70〜200メートルのケーブルを順次発売し、ドローンの操作範囲をより拡大していく予定だという。

photo 水中ドローンのコントローラー

 開発元のPowerVisionは2009年創業。中国だけでなく、米国やフィンランドにも拠点を置き、法人向け・一般消費者向けのロボットやドローンを開発している。

photo PowerVisionの製品を手にするCEOの ウォーリー・ヅェン氏=左、セージ・ラターマン取締役=右

 日本市場に参入した理由について、同社ゼネラルマネジャーのトニー・ヅァン氏は、「日本は海洋大国であり、アジアで最もアウトドアやマリンスポーツの市場が大きいため、参入を決めた」と話す。

 既に日本法人を設立しているほか、製品の修理などのアフターサービスを行うサポートセンターを8月中にも開設し、日本での顧客獲得を本格化していく。

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