フリマアプリ「メルカリ」の台頭が著しい。2013年7月にサービスを開始して以降、破竹の勢いで成長しており、15年10月には2000万ダウンロード、16年には4000万ダウンロードを達成。現在では1日当たり100万点以上の商品が出品される巨大中古市場に成長した。この影響を真っ先に受けたのが、中古本・中古家電販売のチェーン「ブックオフ」と言ってよいだろう。
同社は16年3月期の決算で上場以来初の赤字に転落し、17年3月期も最終赤字となった。ブックオフの業績不振は、主力商品である書籍の市場縮小による影響が大きいが、一部にはメルカリに顧客を奪われた可能性を指摘する声もある。ブックオフではタダ同然の値段でしか売れなかった商品が、メルカリでは1000円で売れたといった話がSNSで拡散するケースも増えている。ブックオフへの中古品の持ち込みが減り、仕入れに苦戦した可能性は高い。
破竹の勢いで成長する「メルカリ」
ブックオフの場合、大型店舗を展開し大量の在庫を抱えているため、コスト的に致し方ない面があるが、メルカリのような市場運営型企業の場合、こうしたコストは限りなくゼロに近くなる。このため余分なコストが掛からず、売りたい消費者と買いたい消費者を最適にマッチングすることができる。
メルカリが中古品売買のインフラとして社会に認知されれば、さらに出品者が増えて、市場としての価値が増大するという正のスパイラルが発生する。メルカリを経由した売買が、今後さらに拡大する可能性は十分にあるだろう。
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