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» 2017年06月01日 16時39分 UPDATE

ワイモバに対抗:携帯「サブブランド」競争激化 UQが「家族割」追随

知名度が急上昇しつつある「UQ mobile」が、「UQ 家族割」を発表。契約者数で後れを取る「Y! mobile」と料金体系をそろえて巻き返しを図る狙いがある。

[濱口翔太郎,ITmedia]

 「『UQ mobile』はこの半年間で大きく変わった」――KDDI傘下UQコミュニケーションズの野坂章雄社長は、6月1日開いた夏モデル端末の発表会でこう語った。UQ mobileは格安スマホブランドとして2016年2月に参入、格安の料金プラン「イチキュッパ割」などを打ち出して徐々に人気を獲得。10月には、女優の深田恭子さんらを起用したテレビCMを放映し、知名度を急上昇させた。

photo 野坂社長とテレビCMの出演陣。左から長野芽郁さん、深田恭子さん、野坂社長、多部未華子さん

 17年初頭には、MVNO(仮想携帯電話事業者)市場の約3割に当たる年間90万契約の達成を目指すとの目標を掲げていたが、野坂社長は「年間90万契約の獲得は射程圏内に入っている。これで満足せず、目標よりも多くの契約を獲得したい」と自信を見せる。

 さらなる顧客増を図るため、同社が6月8日から提供開始する新プランが「UQ 家族割」だ。月額1980円(税別)の「おしゃべりプラン S」など6プランのいずれかを家族で契約した場合、2〜9回線目の基本料から500円割り引くもの。同様のプランはソフトバンクが手掛けるMVNO「Y!mobile」(ワイモバ)が既に提供しており、追随する恰好だ。

photo 「UQ 家族割」の概要

 躍進を続けるUQ mobileだが、ワイモバとの「サブブランド」間の競争では後れを取っているため、まずは料金体系をそろえて巻き返しを図る狙い。このほか、野坂社長は「UQ mobileはワイモバよりも直営店の数が少ないため、今年度中に店舗数を現行の67店舗から120店舗へと拡大する」と対抗策を話す。

photo Y! mobileの家族割の内容

 同社の新端末は「AQUOS L2」(シャープ製)、「DIGNO V」(京セラ製)の2機種。両者ともにバッテリー容量の多さと耐久性の高さが特徴だ。昨年発表したモデルと合わせても、UQ mobileが展開する端末は12機種とやや少数だが、野坂社長は「ラインアップの拡充を検討はしているが、当社はキャリアのような大規模な商品展開はできないため、身の丈にあった商品展開を行っていく」と説明する。

photo AQUOS L2
photo DIGNO V

 同社はこれまで、継続的に施策を投入し、契約者増につなげてきた。具体的には、16年10月に電話が一定時間かけ放題の「おしゃべりプラン」を開始すると、11月には高音質通話「VoLTE」に対応。17年1月には18歳以下の利用者の使用料を割り引く「UQ学割」を開始するなど、1〜2カ月ごとに新キャンペーンを発表し、消費者の興味・関心を喚起した。

photo 直近のUQ mobileの施策一覧

 この流れを継続し、同社は6月8日から、顧客サポートサービス「UQあんしんパック」(月額税別500円)の提供を始める。オペレーターが電話でスマホの設定や操作の案内を行う「UQ安心サポート」、各種データをバックアップする「クラウドバックアップ by AOS Cloud」、SNSが個人情報にアクセスする際などにアラートを発する「UQ SNSセキュリティ by MyPermissions」を組み合わせたもので、スマホ初心者が対象だ。

 家族の居場所をリアルタイムで確認できる位置情報共有サービス「みまもりサービス by Family Locator」と、子供向けのSNS監視ツール「filii(フィリー)」を組み合わせた「家族みまもりパック」(月額税別380円)も8日から提供開始する予定。さまざまなユーザーのニーズに合わせたサービスを用意し、MVNOの課題とされている顧客サポートを充実させる。

 野坂社長は、「当社のWi-Fiサービス『WiMAX』のルーターとUQ mobileのスマホを組み合わせることで、家・職場・通勤中など、あらゆるシーンで当社のサービスが使用できる時代になった。この夏は人気のCMを活用したプロモーションを展開し、より多くの顧客を獲得したい」と強調した。

 その他、会見での主な一問一答は以下の通り。

photo 会見での野坂社長

――先日、NTTドコモが、MVNOを意識した料金プラン「docomo with」を発表した。どう対抗する予定なのか。

野坂社長:長期ユーザーにとってはドコモさんが有利になり、頻繁に買い替える人には当社が有利になる。競争が進化して、お互い切磋琢磨していければと考えている。

――一般的に、MVNOの弱点は通信速度だといわれている。UQ mobileではどう改善するのか。

野坂社長:顧客にスマホを貸し出して使っていただき、気に入ったら契約してもらう施策を行うなど、実店舗での取り組みを強化していく。

――他のMVNOからは、「UQ mobileの速度は十分早い。料金体系なども含め、競争が難しい」という声も上がっているが、どうお考えか。

野坂社長:「より通信速度を早められるよう努力したい」という答えに尽きる。さらなる企業努力を重ねていきたい。

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