焼肉専用コンロ「やきまる」が、目標の5倍も売れているワケ水曜インタビュー劇場(じゅーじゅー公演)(1/5 ページ)

» 2017年08月02日 08時29分 公開
[土肥義則ITmedia]

 岩谷産業(以下、イワタニ)が2016年8月に発売した、焼肉専用コンロ「やきまる」が売れている。発売直後からクチコミで話題になり、いまも品薄状態が続いている。「年間で3万台売れればいいよね」(同社)と言っていたのに、2017年7月末現在で15万台を突破。目標の5倍も出荷しているのだ。

 実物を見たところ、カセットコンロの上にプレートが乗っているだけ。これと言った特徴はないように感じるが、なぜ「やきまる」は売れたのか。その答えは「煙」である。自宅で焼肉をすると、どうしても煙が気になる。焼肉をするたびに火災報知器が鳴るので、「自宅では焼肉をしない」という人もいるのでは。そんな悩みを解消してくれたのが、やきまるである。つまり、煙がほとんど出ないのだ。

 「ははーん、最新のテクノロジーを使って、煙まで抑え込んだのか」と思われたかもしれないが、構造はものすごくシンプルである。中を開けてみても、センサーやファンなどは搭載されていない。脂を受ける皿とバーナーがあるだけ。どこにでもあるような、普通のカセットコンロなのだ。

 「焼肉店のように煙の出ないコンロがあればなあ」と思っていた人は多いと思うが、なぜこのタイミングでそのような商品が登場したのか。また、シンプルな構造にもかかわらず、なぜ煙を抑えることができたのか。商品開発を担当した福士拡憲さんに、その秘密を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

2016年8月に発売した、イワタニの「やきまる」が売れている
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