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» 2017年08月17日 07時30分 UPDATE

想定以上の反響で増産:ロート「スライム目薬」 “かいしんの一滴”の舞台裏 (1/3)

想定以上の反響でたちまち品薄状態になり、急きょ増産が決定したロート製薬の「スライム目薬」。スクウェア・エニックスの「ドラゴンクエスト」とのコラボ商品だ。こだわりぬいた商品はどのように生まれたのか? 舞台裏に迫った。

[青柳美帆子,ITmedia]

 ロート製薬とスクウェア・エニックス(SQEX)がコラボした「スライム目薬」が売れている。国民的ロールプレイングゲーム「ドラゴンクエスト」(DQ)に登場するモンスター「スライム」をモチーフにした商品で、クリアブルーの“スライム形”容器に、特徴的な顔が描かれている。キャッチコピーは、目薬「ロートジー」の爽快感とDQシリーズに登場するフレーズ「かいしんの一撃」を掛けた「かいしんの一滴」だ。

 目薬の容器だけではなく、外箱でもゲームの世界観を表現するこだわりぶり。箱を開けると、「スライムボトルの こうげき! かいしんの一滴!」「さす/にげる/ぼうぎょ/どうぐ」といったDQのゲームを再現するようなテキストが目に入る。内部はバトルフィールドをイメージしたイラストが描かれており、目薬を置くとまるでスライムが出現したようにも見える。

こだわりのコラボで想定以上の反響があった「スライム目薬」

 5月に期間限定発売するとたちまち話題になり、品薄状態に。急きょ7月に増産を決定し、8月17日に再び店頭に並ぶ。

 細部までこだわったがゆえに、これまでのDQファンのみならず、幅広い層に届いたスライム目薬。コラボが実現するまでの経緯をロート製薬のマーケティング担当者に聞いた。

“若者の目薬離れ”から生まれた「DQコラボ」のアイデア

――企画の経緯について教えてください。

 企画の出発点になったのは、「若者にも目薬を使ってほしい」という思いです。コラボを行った「ロートジー」は、ロート製薬の若者向け目薬として1987年に生まれました。ところが、最近の若者が目薬を使わなくなってしまった。

――目のリフレッシュが必要になくなっているということですか?

 いえ、スマートフォンやPCを日常的に使っているので、目は疲れているんです。症状はあるのに目薬を使わないというギャップが生まれていました。目薬はリピーターが多いので、売り上げはガクッと落ちることはなく、横ばいの状態にありましたが、若者の目薬離れは明らかでした。

 “若者の目薬離れ”の原因の1つとして、リフレッシュ目的なら他にさまざまな商品が生まれていることもあります。ロートジーのさし心地の爽快感は、ある意味では口内清涼剤、清涼飲料水、洗顔シートといった商品と競合になってきます。その中で目薬を選んでもらうためにはどうすればいいのか、長らくコミュニケーションの課題としていました。

――目薬離れをしている若者たちに、ロートジーをどのようにアピールするのか。プロモーションは効果的ではなかったですか?

 「目の疲れにはロートジー」というアプローチでは限界がありました。目薬の良さをどう伝えれば分かりやすく、手に取ってもらえるようになるのか? 延々考えていったときに、ふと思い付いたのが「DQの呪文」です。「目薬をさせば疲れ目が回復する。それはまるで、『DQ』の回復呪文の『ホイミ』をかけたみたいじゃないかな?」とひらめいたんですね。

――「ホイミ」は自分や仲間を回復させることができる、「DQ」全シリーズに登場する呪文ですね。

 「目薬をさすと目が癒されますよ」ではなくて、「目の疲れにホイミ!」と言われたほうが、回復している感じが出ないですか? 「DQ」は幅広いユーザーに愛されていて、ロートジーがメインターゲットとしている10〜30代の男性のボリュームも大きい。なんとかして「DQ」の存在をきっかけにして、またそのファンの方を介して友人知人の間でも話題になることを通しても目薬を知ってもらいたいと思い、SQEXさんに「ホイミ目薬」の企画書を持っていったのが、2014年の秋ごろ。実はこの企画は、3年越しに実現できたコラボなんです。

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