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» 2017年08月28日 07時00分 公開

池田直渡「週刊モータージャーナル」:トヨタはEV開発に出遅れたのか? (1/4)

「世界はEV(電気自動車)に向かっている」というご意見が花盛りである。併せて「内燃機関終了」や「日本のガラパゴス化」といった声をよく耳にする。果たしてそうなのだろうか。

[池田直渡,ITmedia]
スモールモビリティの実証実験中のHa:mo(左)とi-ROAD(右)。トヨタ製のEVである スモールモビリティの実証実験中のHa:mo(左)とi-ROAD(右)。トヨタ製のEVである

 「世界はEV(電気自動車)に向かっている」というご意見が花盛りである。併せて「内燃機関終了」とか「日本のガラパゴス化」とか、意見は多様でまったく構わないのだが、事実認識のレベルでの誤認がひどく、そうした書き手の誤解によって議論のベースになるべき部分で正確性が失われているものが結構ある(関連記事:内燃機関の全廃は欧州の責任逃れだ!)。

状況認識レベルでの誤報の多さ

 例えば、割と多く見受けられるケースで、ボルボは2019年から全モデルをEV化するなど、明らかに事実と違うことが平気で書かれている。ちなみに、ボルボは「何らかの電動動力が付かないクルマは出さない」と言っているだけだ。エンジンを無くすとは言っていない。

 ボルボの取り組みはいくつもの階層化がされており、もちろんEVも含む。しかしこの取り組みで本当に面白いのは、車両電源の48V化を伴うマイルドハイブリッドがラインアップに加わる話だ。

 低コストにも関わらず、これまでのマイルドハイブリッドの性能を大きく凌駕(りょうが)するシステムが出てくることで、ハイブリッドの地図が変わる。恐らくこれまで主流だったストロングハイブリッドの優位は相当に失われるだろう。ボルボに限らず、欧州メーカーの多くが取り組む48Vマイルドハイブリッドによって、廉価なクルマも全部エコ性能と動力性能がアップする。いわば今後のスタンダードになる技術だ。

 EVシフトに関しては話がキャッチーなため、非常に多くの人が記事化し始めた。その結果、上述のように前提とする情報そのものが間違っていることが結構多い。なので、雑音を排して、国やメーカーなどがオフィシャルに発表したソースだけを正確にピックアップして、事実の一覧表を作らねばと思っていたら、友人の主宰するサイト「EVsmart Blog」で既にまとめられていた。

 必ずしもオリジナルソースではなく、海外メディア経由のものもあるが、まとめに参照したソースへのリンクまで完備した丁寧な仕事で、相当大変だったであろう労作である。これがあるなら筆者がわざわざ作り直す必要がない。リンクの許可を依頼したら快諾してもらったので、正しい情報を確認するためにもぜひ参照していただきたい(関連リンク:各国のガソリン車・ディーゼル車販売禁止の状況)。

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