「鉄旅オブザイヤー」は2011年から開催されている表彰イベントだ。旅行会社が企画したツアーのうち、鉄道をテーマとし、一定以上の集客実績があった商品について表彰する。鉄道旅行や旅行会社の企画ツアーの魅力を広く知らしめるために開催される。業界団体が内輪で褒め合う形にならないように、最終審査は外部審査員が参加する。
15年までは「旅行会社の企画を旅行業界関係者が表彰する」ようにも見えて、業界イベント然としていた。そこで「もっと多くの人々に知ってもらいたい、特に鉄道旅行を好きな人に関心を持ってもらいたい」と、16年から一般部門「ベストアマチュア賞」が創設された。応募作は少なく、認知度は足りないようだ。
しかし、見渡してみれば、これは鉄道趣味のうち、乗り鉄分野で唯一の表彰だ。鉄道写真や鉄道模型のコンテストは多いけれど、乗り鉄分野はたぶんこれだけ。乗り鉄の私としてはもっともっと盛り上げていきたい。だから私も応募したいけれど、審査員だから参加資格がない。悔しいから、審査員の立場でこの賞を解説する。応募の参考にしていただければ幸いだ。
「鉄旅オブザイヤー」のロゴマーク
優秀作品1点に賞金5万円とJR協賛による記念品が提供される。また、18年2月7日に鉄道博物館(さいたま市)で授賞式が開催される。これに出席する必要があるけれども、会場までの交通費、宿泊費は自己負担だ。遠方からの受賞者については、実質的に賞金が交通費となる。これはどうかな、と思う半面、自分だったら「ついでに東京近郊の乗り鉄を楽しむつもりで参加すれば悪くないかな」とも思う。
ちなみに、16年の「JR協賛による記念品」は、JR四国から「四国まんなか千年ものがたり」の車中食事付きペアチケットが贈られた。賞金と同じかそれ以上に魅力的だ。今年はどの会社が何を用意していただけるか、楽しみである。
2016年度の一般応募作品。グランプリは5番の「寝台特急サンライズ瀬戸&四国まんなか千年物語号で行く四国横断鉄道の旅」
すべては笑顔のため「鉄旅オブザイヤー'16」
2016年に開催された鉄道旅行商品を表彰する「鉄旅オブザイヤー2016」の表彰式が行われた。今年はDC賞、ベストアマチュア賞も創設されて盛り上がった。受賞を逃した作品にも素晴らしい企画があった。審査は楽しく、そして悩ましいところもある。
JR収益増の秘策「JRデスティネーションキャンペーン」に新たな展開?
旅行会社を対象に優秀な鉄道旅行企画を表彰する「鉄旅オブザイヤー」は、今年度から一般部門「ベストアマチュア賞」を創設した。応募条件は「JRデスティネーションキャンペーンをからめた旅行企画」だ。このJRデスティネーションキャンペーンは地域観光に絶大な効果があるのだが……。
一円電車から6400キロ超えの弾丸ツアーまで 「鉄旅オブザイヤー2015」をおさらい
旅行会社による鉄道系企画旅行を品評する「鉄旅オブザイヤー」の表彰式が開催された。受賞作品、ノミネート作品から、旅行会社が取り組む市場が見えてきた。それは鉄道、旅に限らず、趣味性の市場に共通のキーワードかもしれない。
企画力と実行力の祭典「鉄旅 OF THE YEAR 2014」の名作を見よ
一昨年に引き続き、2014年も「鉄旅 OF THE YEAR」の審査員を拝命した。旅行会社が企画する「鉄道の旅」のコンテストだ。2014年度のキーワードは、「最高の旅のさらに上」と「難易度の高いツアーのパッケージ化」だ。担当者の創意工夫に感動した。旅行業、鉄道業だけではなく、企画に携わるすべてのビジネスマンの参考になりそうだ。
観光列車の次のブームは廃線かもしれない
岐阜県飛騨市、秋田県大館市、宮崎県高千穂町で廃止された鉄道路線を観光に生かす人々が集まり「日本ロストライン協議会」を設立する。鉄道趣味の1分野だった「廃線」が、城巡りに通じる新たな観光資源として注目されている。
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