「マックなら、大丈夫」マクドナルド、主婦の採用強化「4つの大丈夫」をアピール

» 2017年09月05日 16時35分 公開
[青柳美帆子ITmedia]

 日本マクドナルドは9月5日〜10月31日に、店舗スタッフの採用強化を目的としたキャンペーン「マックなら、大丈夫。」を実施する。人手不足が大きな経営課題となる飲食業界の中で、主婦やシニア層が安心して働ける環境をアピールし、継続的な人材の採用と育成を目指す。

マクドナルドが主婦やシニア層の採用を強化する

 マクドナルドは2015年から「メニュー・バリューの強化」「店舗体験の向上」「ブランド活動」に取り組み、長い低迷期を脱出。17年はさらに経営戦略として「おいしさの向上」「デジタルテクノロジーを駆使した利便性向上」「人材への投資」を掲げた。その結果、全店売上高は18カ月連続で2桁成長を果たし、17年上半期は、全店売上高2332億円(前年比13.8%増)、既存店客数は前年比11.4%増と、16年より大幅に伸長している。

 この成長を持続するために強化するのが採用だ。主婦(主夫)、シニア層、外国人など、多様な人材を店舗アルバイトスタッフ(クルー)として採用することを目指す。春に実施したキャンペーンでは、目標を3000人上回る2万8000人の採用に成功。続く秋にも「マックなら、大丈夫。」をキーメッセージにし人材獲得を強化する。

 「17年上半期は着実にビジネスの回復を図ることができた。さらに成長していくために、継続的な人材の採用と育成が必要不可欠。マクドナルドは『若い人の職場』というイメージがあるかもしれないが、実際は主婦クルーが全体の2割以上を占めているほか、多様な人たちが働いている。働きたくても働けない主婦やシニア層をターゲットにし、マクドナルドならではの『大丈夫』なポイントをさまざまな形で伝えていく」(日本マクドナルド人事本部 長敦子本部長)

4つの「大丈夫」

 アピールするポイントは以下の4点。柔軟な働き方ができる「ワークシフト」、多様なメンバーが働きやすい「職場空間」、充実したトレーニングプログラムで未経験者でも心配なく働ける「サポート体制」、希望すればトレーナーやマネジャーなどのポジションを目指すこともできる「成長プラン」――。4つの「大丈夫」で、日本に300万人以上いるといわれている女性の潜在労働者層(現在働いていないが、働ける可能性がある層)にアピールする。

 主婦の労働問題に詳しい東京大学の中原淳准教授によると、「小学生以下の子どもを持っている主婦は『スキマ時間にフレキシブルに働きたい』と考えている。その一方、大学生以上の子を持つ主婦の働きたい理由は『社会との接点を持ちたい』や『社会復帰のファーストステップにしたい』。マクドナルドではどちらの働き方も選択できる。また多様な人が働いているので、主婦の早期離職理由である『人間関係のトラブル』の心配も少ない」という。

 キャンペーン期間中には、主婦を対象とした「主婦向けクルー体験会」を実施。実際に体験してみることで、仕事へのイメージが生まれる効果が期待できるという。チーズバーガーをクルーとともに作る体験を行ったタレントの松嶋尚美さんは「横に立って優しく教えてもらえ、不安なく働ける」と安心感を語った。

クルー体験をする松嶋さん
チーズバーガーを主婦クルーとともに作り上げた

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