スターバックス、初のポイントサービス「REWARDS」開始「深いつながり」目指す

» 2017年09月19日 17時30分 公開
[青柳美帆子ITmedia]

 スターバックス コーヒー ジャパンは、ポイントサービス「STARBUCKS REWARDS(スターバックス リワード)」を9月20日に開始する。商品の購入やイベントへの参加に応じて「Star」と呼ぶポイントを付与。たまったStarは商品を購入できるチケットなどと交換できる。

 スターバックスが国内でポイントサービスを展開するのは初。「リワード」のサービスは一部の国や地域で先行しており、米国ではリワード会員は1330万人に上り、売上高の36%を占めるほどに。同社の水口貴文社長は「これまで『リワード』を導入した国や地域では、いずれも良い結果が出ている。『顧客のロイヤリティーを高め、新たな体験価値を提供できる。お客さまには、Starを使って新しいチャレンジをしてほしい」と自信を見せる。

 リワードを活用した1to1マーケティングや、ビッグデータ分析によるメニューやサービス向上なども目指す。「リワーズ」の開発には2年ほどかかっており、日本オリジナルのシステムを採用しているという。

スターバックスが初めてポイントサービスを導入

50円で1Star

 リワードは、公式モバイルアプリかWebサイトから「スターバックス カード」を登録すると利用できる。登録したカードによる支払い50円ごとに1つStarが集まる仕組み。また、スターバックスが開催するイベントに参加してもStarが付与される。

 Starには「Green Star」と「Gold Star」の2種類があり、1年以内にGreen Starを250個集めると、Gold Starが集められるようになる。Gold Star150個ごとに、ドリンクやフードなどの商品1品と交換できるチケットを発行できる。その他にも、新商品の先行購入や限定企画の商品など、さまざまな特典を用意する。会員限定のキャンペーンなども用意する予定という。

Starの特典

デジタルの取り組みで成長

 スターバックスの店舗数は2017年9月末時点で1304店舗(対12年比32%増)、1日の来店客数は72万人(同38%増)で、「ビジネスは堅調に成長している」(以下、水口社長)という。

 その成長を支えるのが、デジタル領域への積極的な取り組みだ。SNSでの情報発信は大きな強みになっており、Twitterフォロワー数は約380万人。国内フォロワー数ランキングトップ10に企業で唯一ラインクインしている。公式モバイルアプリのダウンロード数は180万件を超え、Web会員は270万人を突破した。

 「多くの人に“広く届ける”だけではなく、お客さまの細かなニーズに合うコミュニケーションを行う“深いつながり”も重要。デジタルを使うことで最適なコミュニケーションを行っていきたい」

 顧客とのエンゲージメントを深めることで、ブランド価値を上げる方針を掲げるスターバックス。その一方で、JCSI(日本版顧客満足度指数)の2017年度調査では、「顧客満足」の指標において順位が後退し、上位4社から外れている。この結果をどのように見ているのか。

 「ビジネスが堅調に伸びていること自体が、大きな評価だと考えている。調査は組み立て方によってさまざまな結果が出るものなので、そうした数字に一喜一憂することはない。スターバックスが日々行っている満足度調査の数字は、ここ数年上がっている。サービスや空間など全てを含めて、お客さまにとっての価値を出していきたい」

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