シェイクシャックは日本で「第二のスタバ」になれるのか?消費トレンドから見る企業戦略の読み解き方(1/4 ページ)

» 2016年08月31日 06時30分 公開
[村田多恵子ITmedia]

消費トレンドから見る企業戦略の読み解き方:

日々刻々と変化する市場の中で、ある企業は成長を遂げ、またある企業は衰退していく。これらの“差”を生みだす要因とは。20年以上にわたって消費トレンドと企業戦略の関係について分析してきたJMR生活総合研究所による連載をお届けします。


 2015年11月、米国・ニューヨークで人気のハンバーガーショップ、「シェイクシャック(Shake Shack)」が外苑銀杏並木(東京都港区)に日本1号店をオープンした。今年4月には恵比寿、今秋には有楽町に出店する。2020年までに国内で10店舗を開業予定だ。

外苑銀杏並木にある「シェイクシャック」日本1号店 外苑銀杏並木にある「シェイクシャック」日本1号店

 シェイクシャックは好業績が続いており、2016年の売り上げ見通しを当初予想の2.42億ドル(約254億円)から2.45〜2.49億ドル(約257億円〜261億円)に引き上げた。

 日本での展開は、米コーヒーチェーン「スターバックス(Starbucks)」の日本導入を成功させた実績を持つサザビーリーグが独占契約を結んだ。スターバックスの参入は、日本で喫茶店や低価格コーヒーチェーンとは異なる新しい市場を作り、市場全体を活性化させた。シェイクシャックは日本のハンバーガー市場で新しい市場を作れるのか、その可能性と条件を探ってみたい。

シェイクシャックの強さ

 シェイクシャックは、2001年にニューヨークのマディソン・スクエア・パークにホットドッグカートを出店したのが始まりで、創業は2004年。2015年1月には、ニューヨーク証券取引所に上場した。現在、世界9カ国に78店舗を展開、急成長を遂げている。

 日本でも進出から8カ月が経過したにもかかわらず、外苑銀杏並木店には週末になると長い行列ができている。ラーメン屋やデパートのセールなど日本人は元々行列好きと言われるが、ニューヨークの1号店もいまだに平均1時間待ちの行列ができているという。

 長い列に並んででも食べたいシェイクシャックのビジネス上の強さは3つある。

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