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» 2017年09月25日 11時00分 公開

成長企業が語る:売りまくる営業組織の作り方 (1/3)

今や営業に求められる要素は複雑化、高度化していて、いくら有能な営業マンであっても一人で自社の売り上げの大半を稼ぐのはほぼ不可能だ。そこで重要なのが営業組織全体の底上げである。好業績を続けるオープンハウスなどの取り組みを紹介する。

[ITmedia]

 規模や業界に関係なく、どんな企業にとってもビジネスを成長させるために必要なもの――それが「営業活動」であることに疑いの余地はないだろう。しかし、ビジネス環境の変化とともに営業に求められる要素は複雑化、高度化していて、いくら有能な営業マンであっても一人で自社の売り上げの大半を稼ぐのはほぼ不可能に近いはずだ。そうではなく、ベテラン、若手を問わず、営業組織の力を底上げしていくことが成功への近道となっているのだ。

 そうした中、ITmedia ビジネスオンライン編集部主催のセミナーイベント「チーム全体で業績を伸ばすための営業マネジメント術」が9月7日に大阪市内で開かれた。基調講演にはオープンハウスで営業本部 営業推進部長 兼 戸建事業戦略担当部長を務める矢頭肇氏が登壇し、同社の急成長を支える営業力の“裏側”を紹介した。

業績好調なオープンハウス 業績好調なオープンハウス

 「東京に、家を持とう。」というフレーズで知られるオープンハウスは、都心部の居住用不動産にフォーカスし、用地取得から建設、販売までのすべてを提供する。ワンストップサービスだからこそ実現できる低価格帯の戸建物件が特長で、3000〜4000万円台でも、東京都心で戸建物件が提供可能だという。昨年2016年には名古屋にも進出し、売り上げも好調。2013年9月の東証一部上場以降、年平均30%以上の成長を続けている。不動産業界の平均成長率が年1%であることを考えると、その数字は驚異的と言っていいだろう。

 そんな同社の最大の強みは営業力だと矢頭氏は言う。「大手不動産会社に勝つため」という命題を掲げ、ノウハウを積み重ねてきた同社。その営業力の強さの背景にあるものとして、「仕組み」と「やる気」の2つを挙げる。

 仕組みの代表例が「源泉営業」である。不動産の集客方法はネット広告を中心とする「反響営業」と、主に物件がある現地で顧客を獲得する「源泉営業」に大きく分けられる。オープンハウスが、大手不動産会社に勝つために力を入れるのが源泉営業だ。その理由について矢頭氏は、「広告は基本的に問い合わせを待つ“待ちの営業”です。それだけでは、知名度の高い大手不動産会社には勝てません。主体的にお客様と接触することができる“攻めの営業”として、『源泉営業』こそが大手と差別化を図れるポイントと我々は考えています」と説明する。

オープンハウス 営業本部 営業推進部長 兼 戸建事業戦略担当部長の矢頭肇氏 オープンハウス 営業本部 営業推進部長 兼 戸建事業戦略担当部長の矢頭肇氏

 実はこれが理にかなった方法で、賃貸物件に住む人が家を買おうとする場合、家の近くの物件に関心を示すことが多い。都心部に限定して展開するビジネスモデルとも親和性が高く、同社の顧客では、物件の1キロメートル以内住んでいる人が3割、2キロメートル以内では5割を占めるという結果も出ている。

 仕組みに関して、もう1つの代表例として挙げられたのが業務プロセスの「分業」である。会社の急成長とともに、急激なスピードで人員を拡充している同社。必然的に、経験の浅い、若い社員が多くなる。また、同社のようなBtoC事業では営業所を分散させる必要があり、本部主導で教育するにも限界があった。スキルのばらつきは大きな課題となり始めていた。

 そこで、集客から契約までの業務プロセスを細分化し、課員の活動とマネジャー、店長の活動をそれぞれ分けた。その結果、各レイヤーが1つの契約に対して積極的に協力し合うチームワークの必要性が生み出した。仕事の範囲を限定することで、早期にスキルを身につけさせることも狙いだ。評価方法も工夫した。契約が1件獲れれば、すべてのレイヤーの社員に一様に評価ポイントがつくため、課員の育成により力を入れるようになったという。「課員のできる仕事の範囲が広がれば、マネジャーはその分、付加価値の高い仕事に専念することができるようになるからです」と矢頭氏は話す。

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