海外からも依頼殺到、ぬいぐるみのクリーニングが話題 あえて作業の様子をSNSに投稿するワケ(1/3 ページ)

» 2024年05月06日 08時00分 公開
[菊地央里子ITmedia]

 山梨県内でクリーニング店を展開するヨンマルサン(山梨県笛吹市)が手掛ける、ぬいぐるみのクリーニングが話題になっている。2023年6月14日、同社が公式X(旧Twitter)に投稿した内容がきっかけだった。投稿では、クリエイティブヨーコ(長野市)が展開する人気キャラクター「しろたん」が、クリーニングされている様子を紹介。この投稿が「しろたん」公式アカウントにリツイートされ、注目を集めた。

clean 「しろたん」がクリーニングされている様子(同社公式Xより引用)

 投稿は1516万回表示され、約4万件の「いいね」がついた(2024年5月5日時点)。クリーニング店が手掛けるのは衣類や寝具が一般的だ。そうした中、同社がぬいぐるみのクリーニングを始めたのは、あるアウトドアアイテムがきっかけだった。前述の投稿で「しろたん」を担当した職人(クリーニング師)の志村雅一さんに話を聞いた。

きっかけはキャンプ用テント

 ヨンマルサンは1992年に創業。山梨県内に28店舗のクリーニング店を展開するほか、宅配クリーニングも行っている。

 同社がぬいぐるみのクリーニングを手掛けるようになったのは、約20年前のこと。もともと同社は、キャンプ用テントやスーツケースなど、特殊なアイテムのクリーニングを得意としていた。こうした技術力を見込んだ利用者がぬいぐるみのクリーニングを依頼するようになり、その数が徐々に増加。いつしか同社の人気サービスへと成長したのだという。

clean きっかけはキャンプ用テントのクリーニング(同社公式Webサイトより引用)

 「しろたん」の投稿がバズったことから、当時1000人ほどだったXのフォロワー数は3.9万人(2024年5月5日時点)まで増加。ぬいぐるみのクリーニングの依頼数は、前年比2倍になったという。

clean ぬいぐるみのクリーニングの依頼数は前年比2倍(同社公式Webサイトより引用)

 ちなみに、同社は話題になる前から、SNSにクリーニング時の写真を投稿していた。志村さんによると、これは依頼者のためを思って始めた取り組みだという。

 多くの依頼者にとってぬいぐるみは家族の一員であり、離れるのは寂しいものだ。また、自分の大切なぬいぐるみが、クリーニングの際にどのように扱われているのかも気になるところ。こうした依頼者の寂しさや不安を和らげることができればと考えた末、クリーニングの様子をSNSにアップし始めたのだとか。

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clean クリーニングの様子(同社公式Webサイトより引用)
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