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» 2018年01月05日 06時00分 公開

新編集長が各地で誕生:“食べ物付き”情報誌が変えたい「消費者の意識」とは (1/4)

食べ物が“付録”として付いてくる情報誌「食べる通信」――。生産者の情報を消費者に届けることが目的だ。発起人の高橋博之氏は、なぜこのような取り組みを始めたのか。

[鈴木亮平,ITmedia]

 食べ物が“付録”として付いてくる情報誌「東北食べる通信」をご存じだろうか。「お米」や「カキ」など東北産の食べ物を届け、その生産者の生き方や、生産物に対する思いなどを特集している。新聞紙の半分くらいのサイズ(タブロイド版)で、生産現場の様子が分かるように写真も多様している。

 消費者が生産者とつながるきっかけをつくり、生産者を支えていく人口を増やしていくことが、この情報誌の目的だ。

photo 「東北食べる通信」

 国内の一次産業はいま、生産者の減少によって厳しい状況に置かれている。1970年に約1000万いた農家は約180万人にまで激減した。しかも、そのうちの70%以上が65歳以上の高齢者である。漁師も同様に高齢化が進み、毎年約1万人ずつ減少している。

 こうした課題を解決しようと「東北食べる通信」を立ち上げたのが、高橋博之氏だ。もともと政治家(岩手県議員)だったが、2011年の東日本大震災後に辞職し、この活動を始めた。13年の創刊以来、毎月欠かさず発行している。

 震災で打撃を受けた東北の生産者をメインに取り上げようと始まった活動だが、東北以外でも反響があり、「自分の地元でも『食べる通信』をやりたい」と手を上げる新たな編集長が全国で誕生している。現在は39の地域で「北海道食べる通信」「北関東食べる通信」「おきなわ食べる通信」などが創刊されているほか、台湾など東アジアにも広がっているのだ。総発行部数は1万人超えた。

 高橋氏は「一次産業が抱える課題の解決のためには“傍観者”になっている消費者を、“当事者”に変えていくことが必要です」と熱く語る。

 ではなぜ、その手段がこの食べ物付き情報誌だったのか。

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