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» 2018年02月09日 15時02分 公開

女性の働きやすさを本気で追求:反響の声続々 「出戻り大歓迎」のドラッグストア

「出戻り歓迎」「正社員やパートといった雇用区分の変更を柔軟に」――。北海道の大手ドラッグストアが画期的な人事制度を発表した狙いとは?

[昆清徳,ITmedia]

 「出戻り大歓迎」「正社員やパート社員といった雇用区分を柔軟に変更可能」――。

 北海道を中心にドラッグストアなどを200店舗以上運営するサッポロドラッグストアーが、2月8日にこんな人事制度を発表した。同社には早くも「一度会社を辞めたけど、もう一度働きたい」「家庭の事情で店長からパートタイムになったが、もう一度正社員に戻りたい」といった声が寄せられている。

 新制度を導入した背景について、同社の金澤人事部ゼネラルマネージャーに聞いた。

photo 地盤は北海道だが福岡や沖縄にも進出している(出所:サッポロドラッグストアー公式Webサイト)

条件を満たせば辞める前と同じ給料

 同社の持ち株会社であるサツドラホールディングスは、グループの多角化に伴って柔軟な働き方を可能にする「サツドラジョブスタイル2017」を打ち出していたが、今回は新しい制度を追加した形だ。

 最も目を引くのが「Welcome Back制度」だ。これは、一度退職した元従業員が、在職時に一定の条件を満たしていれば、再入社を認めるというもの。具体的には、医薬品の販売に必要となる「登録販売者」や「薬剤師」の資格を持っていること、再入社時の年齢が原則55歳未満などが対象。さらに、退職してから5年未満で再入社する場合は、基本給と等級が退職時と原則同額となる。

 「退職する従業員にヒアリングしたところ、『一度辞めたら戻るのは気が引ける』という声を聞きました。家庭の事情で辞めざるを得なかったとしてもです。そこで、『ようこそ』『おかえりなさい』という姿勢を従業員に伝える必要性を感じました」と金澤氏は解説する。

 再入社を可能にする「ジョブ・リターン制度」は大企業などでも導入されている。しかし、使い勝手が悪い場合があるとの指摘もある。サッポロドラッグストアーの場合、ネックになりそうなのは資格の有無だが、登録販売者は近年の制度改正もあって比較的取得しやすい資格となっており、再入社のハードルとしては決して高くはないだろう。

photo 店舗を支えるのは女性従業員だ(出所:サッポロドラッグストアー公式Webサイト)

事情に応じて働き方を変えらえる

 従業員が置かれている状況に応じて、正社員、契約社員、パート社員と雇用区分を柔軟に変更できる「カエル制度」も大きな目玉だ。

 同社で働く従業員の7割近くは女性で、そのほとんどが子育てや介護などの家事を中心に担っているという。しかも、家庭の事情は「子どもの手がかからなくなったのでもっと働きたい」といったように、その時々で変化する。

 また、金澤氏が200人近くの契約社員に面談をした際「本当は正社員になりたい。しかし、子どもを預けている自分の母親が体調を悪くするかもしれないので踏み切れない」といった声を聞いたという。「雇用区分を変えることに及び腰になってしまっている従業員に、働き方をそのときの状況にあわせて変えていいんだよというメッセージを伝えたい」(金澤氏)というのが背景だ。

人材確保に対する危機感

 このような制度を相次いで導入する背景に、人材難に陥ることへの強い危機感がある。北海道の労働力人口は将来大幅な減少が見込まれている。また、サッポロドラッグストアーは今後も積極的な新規出店を計画しており、働き手の確保は重要課題だ。

 同社では、過去に再入社したり、契約社員から正社員へ雇用区分を変更した例はある。ただ、そのハードルを下げ、会社として積極的に従業員の働き方の多様性を応援する姿勢を強く打ち出したことには大きな意義があるといえるだろう。

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