東京ディズニーリゾート、アプリで「待ち時間」解消へデータビジネスも視野

» 2018年02月21日 14時26分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]

 東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランドは2月21日、来園者の待ち時間解消に向けたスマートフォンアプリを自社開発していると明らかにした。チケットの購入やグッズ購入、ホテル・レストランの予約、ショーの抽選、アトラクションの待ち時間の確認、マップの閲覧――などの機能を搭載し、列に並ぶ手間を削減する狙いで、2018年度中のリリースを計画している。

 iOS、Androidに対応予定。東京ディズニーランド、東京ディズニーシ―の両方で使用できるという。

photo 東京ディズニーリゾートの公式Webサイト

 オリエンタルランドは20日から、チケット購入者にQRコードを発行し、入場口でかざすと入園できるサービス「ディズニーeチケット」を既に開始。「ディズニー・ファストパス」もQRコード化するなど、IT技術を活用した混雑緩和に注力している。

 現時点では各種QRコードの発行はブラウザ上でのみ可能だが、18年度中にアプリの一機能として統合し、より利便性を高める予定だ。

GPS活用のショッピング機能も

 アプリには、GPS(位置情報システム)を活用したショッピング機能も搭載する予定。アプリでグッズを購入した来園者を対象に、商品を自宅に配送するもので、閉園間際にショップが混雑し、会計や退園に時間がかかるケースを防ぐ。

 決済方法も充実させ、クレジットカード、各種電子マネー、代金引換、後払いのほか、携帯電話の利用料金とまとめて支払える「キャリア決済」などに対応する予定。

 ただショッピング機能は、あくまで園内の混雑を緩和する目的。一般的なインターネット通販(EC)サービスのように、自宅からアプリ経由でグッズを購入することはできないという。

photo 東京ディズニーリゾートのマップ。園内の混雑や待ち時間が解消されるという

成長に向けてはIT投資が不可欠 データビジネスも視野に

 オリエンタルランドは「当社のテーマパークでは人と人とのコミュニケーションを重視していたが、さらなる成長に向けてはIT投資が不可欠と考え、アプリの開発を決めた」(広報部)と説明する。

 「アプリ導入後は、来場者の行動データに基づいたデータビジネスの展開も検討している。当面は日本語のみ対応するが、外国人客の満足度向上に向け、多言語対応も視野に入れている」(同)という。

 東京ディズニーランド・シーの合計入園者数は、14年度をピークに2年連続で減少中。オリエンタルランドは改善に向け、新エリアの建設などさまざまな施策を進めている。

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