東京を代表する超高層ビルが節目の年を迎えている。池袋のサンシャインシティは開業40周年、六本木ヒルズは開業15周年。両ビルの施設のコンセプトや客層は異なるが、ともに開業から時を経ても、高い集客力を維持している。どのような進化を続けているのだろうか。
サンシャインシティはここ5年ほどで年間来街者数が右肩上がりに増加。2017年度は過去最高の3290万人となった。
運営会社の広報担当者によると、来街者数の集計を始めた1985年度以降、90年代初頭までは年間約3000万人で推移していたが、その後は3000万人に満たない年が続いた。大きく伸びるきっかけになったのが、2011年に「サンシャイン水族館」で実施した、初の全館リニューアル。ファミリー客などの集客力を高め、3000万人超まで来街者数を引き上げた。
17年7月には水族館の屋外エリアをリニューアル。ペンギンが都会の空を飛ぶように泳ぐ水槽「天空のペンギン」が大きな話題になった。17年度はサンシャイン水族館の来場者数も過去最高の約197万人だった。
水族館だけでなく、ショッピングセンターや展望台などのリニューアルが近年の集客をけん引している。複合施設であるため来街者の層は幅広いが、それぞれの施設において「時代に合った企画やリニューアルをしている」(広報担当者)という。
展望台では16年に、仮想現実(VR)を取り入れた体験型施設にリニューアル。VR体験ができる場所がまだ少なかったことから、多くの人が訪れた。18年3月に、VRの対象年齢を「7歳以上」に引き下げたこともあり、現在の予約状況も好調だという。
リニューアルしたのは、派手なコンテンツだけではない。「『専門店街アルパ』では、ショッピングセンターの構造を変えることはできませんが、ベビールームや女性用トイレを使いやすくしました。実際に使う女性の意見を取り入れています」(同)
新しいビルや店舗では、きれいで広い、使いやすいトイレがあるのは当たり前になっている。細かい部分でも、その時代に合った変化を絶えず取り入れているようだ。
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