吉野家、「うな丼の具」を介護食に 特殊加工で「小骨が気にならない」70歳以上がターゲット

» 2018年06月15日 16時55分 公開
[ITmedia]

 吉野家は7月18日から、ウナギのかば焼きを介護食として販売する。高齢者が食べやすいようやわらかく加工し、スプーンなどで食べられる点が特徴。タレをかけた場合の塩分量を1食0.8グラム程度に抑えており、血圧上昇なども防ぐ。70歳以上の高齢者がターゲットで、全国の病院、高齢者施設、介護福祉施設などの法人向けに展開する。

 商品名は「うなぎの蒲焼き」。「通常タイプ」に加え、より食べやすい「やわらかタイプ」、身を食べやすく刻んだ「きざみタイプ」の3種類をそろえる。いずれも「白米の上に乗せて“うな丼”として食べてほしい」(広報担当者)という。

photo 吉野家の介護食「うなぎの蒲焼き」

 「やわらかタイプ」には、食材を凍結・解凍・減圧した上で酵素などをしみ込ませ、見た目を変えずに柔らかさをアップする技術「凍結含浸法(とうけつがんしんほう)」を使用。飲み込む際に小骨が気にならないよう仕上げた。

 実売予想価格は「通常タイプ」「やわらかタイプ」が6食入りで5280円、「きざみタイプ」が6食入りで4680円(価格はいずれも税別)。2018年度で6万食の販売を目指すが、個人客向けに販売する予定はないという。

 価格設定は一般的な介護食よりはやや高いが、「『土用の丑(うし)の日』やお祝い事などの“ハレの日”に食べてほしい」(同)という。

photo 「通常タイプ」「やわらかタイプ」「きざみタイプ」をそろえる

17年に介護食参入

 吉野家は17年2月に介護食市場に参入。同年2月に「牛丼」、9月に「豚丼」を発売し、「一定の成果を得た」という。第3弾となるウナギは、「顧客からのニーズがあったほか、柔らかくする技術が確立されているため世に出した」としている。

 同社は「牛肉と豚肉の次は鶏肉との予想が多かったかもしれないが、今回は品質を担保できるためウナギに決めた。ただ、詳細は未定だが、第4弾以降を開発する計画もある」と話している。

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