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» 2018年08月02日 07時00分 公開

“いま”が分かるビジネス塾:ジムに通うと安くなる保険から考える、健康維持の秘訣とは (1/3)

スポーツジムに通うなど、健康増進活動をすると保険料が安くなるという新しい保険商品が注目されている。運動好きな人を中心にどれだけ保険料が安くなるのかに関心が集まっているようだが、この商品の注目点はそれだけではないのだ。

[加谷珪一,ITmedia]

 スポーツジムに通うなど、健康増進活動をすると保険料が安くなるという新しい保険商品が注目されている。運動好きな人を中心にどれだけ保険料が安くなるのかに関心が集まっているようだが、この商品の注目点はそれだけではない。

 保険は私たちの生活になくてはならないものだが、人が生存する確率や病気になる確率を金銭価値に置き換えた商品である。健康増進活動によって保険料を安く設定できたということは、一連の活動で病気のリスクを軽減できることが、統計的に裏付けられたわけでもある。この商品の中身を詳しく知ることによって、どうすれば健康的な生活が送れるのかについてヒントが得られるはずだ。

健康的な生活を送るために運動やスポーツに勤しむビジネスパーソンは多い(写真提供:ゲッティイメージズ) 健康的な生活を送るために運動やスポーツに勤しむビジネスパーソンは多い(写真提供:ゲッティイメージズ)

保険加入後の生活でリスクは大きく変わる

 住友生命は7月24日、健康増進型保険商品「Vitality」の発売を開始した。一般的な保険商品は、加入時点での健康状態を基準に保険料を算出し、リスクに対処するという考え方をベースにしている。だが現実には、保険加入後の生活習慣によって、加入者が持つリスクは大きく変わってくる。

 保険加入後、不健康な生活を続けた人と、健康に注意して生活した人では、当然、余命や発病リスクが変わってくるはずだが、従来の保険商品はこれらをすべて含んだ形で保険料を算出していた。つまり、リスクの高い人の分まで織り込む必要があり、その分だけ保険料は高く設定されていたことになる。

 だが現実には、健康に注意した人とそうでない人を比較すれば、両者には大きな違いが出てくる。運動する、食生活を改善する、たばこやアルコールを避けるなど、生活習慣を改善することで健康状態が良くなる可能性は高いので、こうした人たちの保険料は理論上、もっと下げることができる。この考え方を具体的に商品に盛り込んだのが、今回、発表された新商品である。

 保険加入者は、毎年、会員用Webサイトを通じて食生活や運動状況などの情報を入力し、所定の健康データを提出する。内容に応じてポイントが加算される仕組みとなっており、ポイントが多いほど保険料が安くなる仕組みだ。このサービスに加入した時点で保険料が15%割引となるが、あとはポイントに応じて変動し、最大で30%安くすることが可能だという。

 この商品は単独の保険ではなく、既存の死亡保険や医療保険の特約として加入することになる。プログラムに加入した場合、月額864円(税込み)の利用料がかかることに加え、健康活動への取り組み方次第では、逆に保険料が上昇するリスクもある。プログラムで定められた健康増進活動について積極的に取り組む人でなければ、大きな得にはならないという点には注意が必要だ。

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