恋愛ゲームのボルテージ、13億円の最終赤字に転落 「恋愛ドラマアプリ」不調かつての勢いは……

» 2018年08月14日 18時17分 公開
[ITmedia]

 スマホ向け恋愛ゲームアプリ開発のボルテージが8月14日発表した2018年6月期(17年7月〜18年6月)の連結決算は、売上高が73億9100万円(前年同期比16.2%減)、営業損益が10億4200万円の赤字(前年は1億4100万円の黒字)、最終損益は13億2800万円の赤字(前年は2400万円の黒字)だった。

photo ボルテージの公式Webサイト

 テレビCMやモバイル広告などの広告宣伝費を引き上げたものの、アプリの売上が伸び悩んだことが響いた。名作IPタイトル(他社の知的財産を活用したゲーム)の配信停止などを進め、ロイヤリティーや外注費などのコストを削減したものの、売上が落ち込んだ影響で赤字転落となった。

 恋愛アプリは海外女性向けのタイトルが好調だった一方、日本人女性向けタイトルの売上が大幅に減少していた。中でも、これまで同社が注力してきた、好みのシチュエーションを選択しながら恋愛ストーリーが楽しめる「恋愛ドラマアプリ」が不調だった。

 今後はこうした「読み物型」のほか、アバターの着せ替え要素を取り入れた「アバター型」、カードゲーム形式の「カード型」の3区分にアプリを整理し、ターゲット層の嗜好に応じて最適なものを展開していく計画。イベントの開催、グッズの販売、映像コンテンツの展開といった施策も行う予定だ。

 19年秋にリリースを予定するカードゲームアプリ「あやかし恋廻り」は、事前登録者数が20万件を突破するなど期待値が高く、今後も開発に注力するとしている。

photo ボルテージの2018年6月期の連結決算

 ただ、18年7月〜12月期の連結業績予想は、売上高が36億円、営業損益が2億5000万円の赤字、純損益が2億6000万円の赤字と、黒字転換は見込まない。「現時点で信頼性の高い業績予想数値を算出することが困難」として19年6月期通期の予想は非開示とした。

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