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「上司のセクハラ」どうすれば撃退できる? 証拠集めから裁判まで徹底解説労働問題弁護士ナビ(3/4 ページ)

» 2018年09月15日 07時00分 公開
[アシロ]
株式会社アシロ

どんな証拠があればいい?

 押さえておいたほうが良い証拠には、(1)備忘メモ、(2)相手からのメール、(3)自分のメール、(4)友人などに相談したメール、(5)相手とのやりとりについての録音、(6)診断書などの証拠――が挙げられます。

上司のセクハラで訴訟を起こすかどうかの判断基準

 ここまで読まれている方は、「セクハラをなんとかしたい」という強い思いがあると思います。そういう場合は、セクハラ問題での最終手段「裁判を起こす」ということを視野に考えても良いかと思います。

 しかし、裁判には、相応の期間、労力、費用を要します。また、勤め先の会社の人間(又はその会社)に対して裁判を起こすのは、現実問題として難しいところもあります。そのため、実際に裁判を起こすべきかは、慎重に判断する必要があります。

 どんなケースが訴訟に適しているか、個別にみていきましょう。

1.既に会社を退職している

 すでに被害者が退職済みであれば、特にしがらみなどもありませんので、訴訟を検討してもよいかもしれません。

2.証拠が十分にある

 裁判で敗訴してしまう多くの要因が証拠不十分によるものです。いくら優秀な弁護士が付いていて、とんでもないセクハラが起きていても、それを証明できる証拠が全くなければ裁判に負けてしまいます。訴訟をお考えであれば、まず十分な証拠を集めましょう。

3.セクハラによる損害が発生している

 「セクハラを受けた影響でうつ病になり、病院に通っている」「セクハラに抗議をしたことで社内での待遇が変わった」――などといった事実があるような場合は、それによって発生した損害賠償を裁判で請求することができます。

4.あまりにもセクハラの内容がひどい

 強引にキスをされたり、胸を触られたり、酔っているからと強引に性関係を持たされたりと、極めて強度かつ直接的なセクハラ行為があり、その証拠がある場合、勝てる見込みは十分にあります。むしろ、そのような場合は、(準)強制わいせつ罪、(準)強姦罪などで刑事告訴をすることもできます。

 あまりひどい場合は精神的にもきついでしょうが、証拠だけ集めて、落ち着いてからでも構いませんし、第三の機関(労働基準監督署や弁護士)に協力してもらってもいいです。民事訴訟や刑事告訴を考えてみてください。

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