ミレニアル世代で高まる仮想通貨人気 半数以上は「仮想通貨投資に関心あり」汎用性は高まるのか

» 2018年11月13日 17時31分 公開
[中澤彩奈ITmedia]

 米New York Postが報じたところによると、米国でミレニアル世代(24〜35歳)を対象に実施した調査で25%のミレニアル世代は仮想通貨を既に保有していると回答したという。また、保有していない人でも30%は仮想通貨への短期投資などに何らかの興味を持っていることが分かり、半数以上のミレニアル世代が仮想通貨投資に関心を示している実態が明らかとなった。

photo ミレニアル世代で高まる仮想通貨人気(イメージ)

 この背景についてCCNは、大学卒業後の学生ローン返済などで既に苦しんでいる若者は非生産的システムで時代遅れなモデルの現在の銀行に不信感を抱いていることがあるとみており、それは他の調査でも明らかになっているという。

 例えば、仮想通貨などの認知度がまだ低かった2015年に米ハーバード大学が実施した調査では、「ウォールストリート(米国金融界)は顧客に対して正しいことを行っていると思う」と答えたミレニアル世代は14%にとどまっていた。

 米投資企業Recon Capital Partnersのケビン・ケリーCEO(最高経営責任者)は仮想通貨やFinTech(フィンテック)サービスなどの人気の高まりについて「これは間違いなくウォールストリートにとっての課題である。(2008年の)金融危機後も、ウォールストリートに変化は見られない」と、進歩がない既存の金融機関に対し警鐘を鳴らした。

仮想通貨の汎用性は高まるのか

 特に現行の銀行サービスの使い勝手が悪いとされる国では、銀行を介さずにスマートフォンだけで取引可能な仮想通貨は既に広く普及しているようだ。

 フィリピンの最大手仮想通貨取引プラットフォームを運営するCoins.phでは、フィリピンだけで500万人、タイとマレーシアでも数百万人のアクティブユーザーを抱えているという。

 その取引内容は、仮想通貨の売買や海外送金、プリペイドカードへのチャージ、請求書の支払い――など多岐にわたり、仮想通貨が投資だけではなく幅広い用途に利用されている現状がうかがえる。

 主要仮想通貨取引市場の米国や日本、韓国でも、ミレニアル世代によって仮想通貨の汎用性が今後急速に高められることが期待できるという。

 実際に、韓国政府は仮想通貨取引所を認可した金融機関として認めており、有能な若者がブロックチェーン(分散型取引台帳)業界に入るよう率先して促している。

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