企業の市場撤退の背景には、やはり事業を継ぐ相手が見つからないまま代表者が高齢を迎えたケースが少なくないようだ。東京商工リサーチによると、休廃業・解散した企業の代表者のうち最多の年齢層(判明分)は70代で、39%となった。
こうした企業の“高齢化”に関連して同社の担当者が問題視するのが、休廃業・解散企業の「黒字率低下」だ。各企業の直前期決算に注目したところ、19年では61.4%の会社で当期純利益が黒字に。17年以降、この「黒字率」が少しずつ低下する一方、赤字率は上昇している。
「企業を継ぐ第三者やM&Aの相手を見つけるためには、事業価値を上げる必要がある。しかし“末期”の会社は採用や設備投資をしたがらず、事業価値が下がる傾向にある。その(傾向の)兆候なのではないか」(担当者)。国は企業の事業承継支援に力を入れているものの、それが間に合っておらず事業価値が下がり、廃業や解散を防げていない可能性を指摘する。
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