転職に成功する人、失敗する人――どこに“違い”があるのか:新連載・金曜インタビュー劇場(藤原和博さん)(3/5 ページ)
景気の影響を受けて、転職の求人数は右肩上がり。「自分もそろそろ……」と思っている人もいるだろうが、“転職で成功する人、失敗する人”にはどのような“違い”があるのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。
「転職先=正解でなければいけない」という考え
藤原: 話が少しそれましたが、ご質問の「転職」について。例えば、4社から「ウチの会社で働いてみないか?」と言われたらどうしますか?
土肥: ほとんどの人は「年収が最も高いところ」「人間関係がよさそうなところ」「自分がやりたい仕事」といった感じで、自分にとって一番いいところを選ぶのではないでしょうか。はっ、知らず、知らずのうちに、“正解”を選ぼうとしている。
藤原: そうなんですよ。ここで注意しなければいけないことは、正解がないのにもかかわらず、正解を選ぼうとしていること。仕事というのはどんどん変化しているんです。自分にとってこの会社は正解……と思っていても、明日外資系の会社に買収されるかもしれません。1年後に違う会社に買収されているかもしれません。新規事業を展開して、それまでとは違う仕事を任されるかもしれません。
自分にとって正解の会社だと思っていても、それはこちらの事情であって、会社の事情によってどんどん変化することを認識しておかなければいけません。正解主義にどっぷり浸っている人は「転職先=正解でなければいけない」と思っている……この考えは非常に危険なことではないでしょうか。
土肥: 「転職先の年収は3割アップだから、生涯年収は……」と計算する人もいますよね。
藤原: 全く無意味。収入を計算したり、福利厚生や年金を計算したり、リスクを計算したりしても、正解なんて出てきません。計算不能なんです。未来のことなんて誰も分かりませんから。
土肥: ふむふむ。
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