大河ドラマ主役の真田幸村、ところで何をやった人?:歴ドル・小日向えりの「もしあの武将がネットサービスを使ったら……」(2/4 ページ)
戦国時代の真田ファミリーを描く今年の大河ドラマ「真田丸」がいよいよ始まります。ドラマの中で主役となるのが真田幸村ですが、いったいどんな功績を残した人なのでしょうか。実は……。
実は真田幸村は何もやってない
真田幸村という武将の名前を皆さんも聞いたことはあると思います。しかし、「実際、何をした人?」と聞かれたら、これがけっこう難しい。真田幸村ファン同士でも「幸村っていうほど何もやってないよね。」「そうそう! 徳川軍を2度破ったのはお父さんだしね」というのがお決まりのやり取りです。
実績を見れば、徳川軍の大軍を2度にわたって破り、領地を守り抜いた父の真田昌幸や、明治まで続く松代藩真田氏の初代藩主として真田のお家を守った兄の真田信之のほうが戦国武将としての功績は高いといえます。
しかし、真田家で一番の有名人は幸村。ほとんど何もやってない幸村が、なぜ最も有名なのでしょうか。
幸村の功績といえば、何といっても1614〜1615年に徳川と豊臣が争った大坂の陣での活躍です。幸村は、冬の陣では大坂城南西に「真田丸」という砦を築き、徳川軍を大いに苦しめ、夏の陣では家康の首もあわやというところまで追い詰めました。
その八面六臂の活躍で、敵方の武将である島津忠恒に「真田日本一(ひのもといち)の兵(つわもの)」と讃えられ、武名を轟かせました。それまで全くの無名だった「真田幸村」の株価が一気に上がり、ストップ高という状態です。
それを考慮しても、数いる戦国武将の中でトップクラスのヒーローとして描かれるには、話が盛られすぎています。正直、大河ドラマで1年描くにはきつい人物です。そうだからか、今年の大河ドラマは真田一族を一艘(そう)の船に例えて、幸村のみならず真田ファミリーを描くようです。
では、なぜ幸村がこれほどまで有名になったのか。それは、江戸時代、上方で反徳川の気風が強まったことで、かつて徳川を追い詰めた幸村を英雄として描く講談が流行り、それが後に立川文庫の小説「真田十勇士」という架空の忍者物語とともにヒットしたことが背景があります。講談や小説、現代ではアニメやゲームといったエンターテイメントの中で、“ヒーロー・真田幸村”が確立していったのです。
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