あなたは大丈夫? 10〜20年後、人工知能に奪われる仕事100:水曜インタビュー劇場(消える仕事公演)(2/5 ページ)
人工知能によってあなたの仕事が奪われるかもしれない――。このような不安を感じている人も多いのでは。ある調査によると「労働人口の49%が人工知能などによって奪われる」という結果がでたが、この数字をどのように受け止めればいいのか。
建設業界で「イノベーション」
土肥: 人工知能によって自分の仕事を奪われるのではないか。リストラ、失業、下流……といったキーワードが浮かんでくる人も多いと思いますが、その一方で楽観視している人もいると思うんですよ。「人工知能? 自分は大丈夫。だって、周囲でそんな人がいるなんて聞いたこともないし」といった感じで。そこで、寺田さんにお聞きしたい。
街の電気屋さんは少なくなり、その後家電量販店が多くなったけれども、いまではネットで購入する人が増えてきた。街の本屋さんは少なくなり、その後大型書店が多くなったけれども、いまではネットで購入する人が増えてきた。新しい技術などを導入することで「この仕事がなくなった」または「ロボット(機械)が代替した」といったケースを教えていただけますか?
寺田: ガンバ大阪の新スタジアムが2016年に完成するのですが、建物の施工主は竹中工務店さん。このスタジアムの基礎工事に「プレキャスト」という工法が採用されました。大きな建物の場合、現場で大きな型枠をつくって、その型枠の中にコンクリートを流し込んでいたんですよね。でも、新スタジアムでは、工場などでつくられたコンクリート製品を現場に運び込んでつなぎ合わせたんですよ。
大規模な建築現場では初めての工法だったので、業界からは「イノベーションだ」という声がありました。でも、このプレキャストという工法は昔からあったので、なぜ業界の人たちが「イノベーションだ」とおっしゃっているのか、意味がよく分かりませんでした。そこで担当者に話を聞いたところ、大規模な建築物の場合、基礎工事は型枠職人さんがされていたそうです。しかし、震災や景気などの影響があって、型枠職人さんが不足気味に。また人件費の高騰などによって、社内から「プレキャストでやってみたらどうだろうか」といった声があったそうです。で、実際にやってみたらうまくいった。
土肥: ほー。
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