「最恐の殺人地域」を救うことができるのか 武器は日本の意外な“文化”:世界を読み解くニュース・サロン(1/5 ページ)
「中南米は危険」といった話を聞いたことがあると思うが、私たちが想像している以上に“危険”であるようだ。「世界で最も暴力的な都市2015年」を見ると、上位に中南米の都市がランクイン。こうした状況に対して、日本のある文化が期待されている。それは……。
世界を読み解くニュース・サロン:
今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。
欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。
今、中南米が注目されている。
その理由は、最近日本でも取り上げられている「ジカ熱」である。蚊を媒介して感染するこの感染病は基本的には風邪のような症状が出るのだが、何か別の持病をもっているような人でない限り、命にかかわることはない。だが妊婦がジカ熱にかかると、先天的に頭の小さい「小頭症」の赤ん坊が生まれる可能性があり、米疫病対策センターは2016年1月はじめに、特に妊婦に対して中南米14の国と地域への渡航を避けるよう警告している。
300万〜400万人に感染する可能性が指摘される非常に危険なウィルスであり、コロンビアとジャマイカでは女性に妊娠を“延期”するよう呼びかけているほどだ。
だがそんなニュースの陰で、中南米にとってはもっと深刻だと言われる問題が話題になっている。犯罪である。
中南米が危険、という話は新しくはない。しかし2016年1月にメキシコの公安刑事司法市民評議会(CCSP-JP)によって公表された最新調査によれば、その実情は私たちが想像する以上に深刻である。そしてその状況を好転させうる切り札の1つとして日本の意外な”文化”が期待されていることはあまり知られていない。
関連記事
- 世界が販売禁止に乗り出す、“つぶつぶ入り洗顔料”の何が危険なのか
スクラブ製品が、世界的に注目されているのをご存じだろうか。私たちが何気なく使っているスクラブ洗顔料や歯磨き粉などの一部には、いわゆる「マイクロビーズ」と呼ばれるプラスチックの粒子が使われている。その粒子が……。 - 中国政府がいま最も恐れているのは、ネット上の「くまのプーさん」
中国共産党がネット上の検閲に力を入れている。いわゆる「サイバーポリス」と呼ばれる工作員が反政府的な発言などをチェックしているが、2015年に最も削除された発言は……。 - なぜ「楽天」が世界中で叩かれているのか?
英語の社内公用語化など、グローバル企業への成長を目指して動き出した楽天。だが、本当に必要なのは「国際企業ごっこ」ではない。国際社会に対する社会的な貢献が求められる。 - 世界から「児童ポルノ帝国」と呼ばれるニッポン
衆議院で可決した「児童買春・ポルノ禁止法」改正案。日本では大きく報じられていないように見えるが、海外では大きな話題になっている。規制が強化された格好だが、海外メディアの反応は厳しい。その内容とは……?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.