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研修に効果がない理由は、老人が若々しくなった理由と似ている(2/2 ページ)

がんばろうというチームに入れば、日々努力しますが、だらけたチームに入ればサボリ癖がつきます。人には誰しも、孤独を避けたいという心理が働くからかもしれません。

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 そして、その扱いの軽さに対応するように、言動が軽くなっていきます。アクティブシニアなどという前向きな言葉を自分のことだと考えてその気になり、「まだまだ、お若いですね」と言われると、本当にそう思いこみます。昔に比べて年寄りが若々しく元気なのは、老人扱いされなくなった結果、老人だという自覚がなくなっているからだと考えられるわけです。

 「人は、周囲が期待したようになる(期待したようにしかならない)。」「人は、周囲と同じように振る舞う(自分と周囲は同じだと思いたい)。」という2つの傾向があるとすれば、組織や職場でも同じようなことが起こっているはずです。彼はこういうタイプだ、彼女の能力はこの程度だと決めつける。そうすると、本来持っている可能性に本人も周囲も気付くことなく、周囲が思っているように振る舞い、そのようなレベルで終わってしまう。頑張ろうと気合を入れていたのに、周囲が気を抜いているから、“浮く”のは嫌だと考えてだんだんと周囲に合わせるようになる。

 こんな風に成長したいと思って勉強しているのに、周りはまったく勉強しないから、徐々にバカらしくなってきて、いつかサボるようになってしまう。そんなことが起こっているに違いありません。採用や研修はいずれも重要な課題ですが、その成否は組織風土や職場環境次第でもあるということです。(川口雅裕)

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