飛行機に“最後に乗る”のはどんな人か 羽田空港を分析:水曜インタビュー劇場(1分1秒公演)(2/6 ページ)
飛行機に乗るとき「できれば早く乗りたい」という人もいれば、「できれば最後に乗りたい」という人もいる。搭乗口で最後に手続きを済ませているのはどのような人なのか。羽田空港で飛行機の遅延分析をされている、JALの担当者に話を聞いたところ……。
人探しが始まる
土肥: 現状はよく分かりました。で、どのような対策をとられたのでしょうか?
矢嵜: 第一旅客ターミナル・保安検査場のB、C、E、Fの4カ所を使用しているのですが、その中で最も大きいFを7時からフルオープンすることに。これで人の流れがよくなるのかなあと思ったのですが、まだ長い行列ができていました。次に、30分前倒しにして6時30分にフルオープンしました。結果、保安検査場の混雑が緩和されて、人の流れがスムースになりました。
土肥: 一件落着?
矢嵜: いえ、まだまだです。2次元バーコードやIC機能などを使って搭乗される場合、“かざしもれ”があるんですよ。機械がうまく認識していないのにもかかわらず、窓口を通過される。ということは、実際には通過しているけれども、システム上は通過していないことになるんですよね。
土肥: 人探しが始まるわけですか?
矢嵜: はい。例えば「ドイさんが飛行機に乗っていません」となるので、まずは機内に入って、ドイさんが乗っているかどうかを確認しなければいけません。しかし、先ほど申し上げたとおり、ボーイング777は大型機で500人ほどが乗られている。もしドイさんが後方の座席に座っていると、確認作業に時間がかかってしまう。
土肥: そうすると、出発時間が遅れるわけですね。
矢嵜: はい。“かざしもれ”がないようにあの手・この手を打ってきましたが、最終的には人を増やすことで、9月30日になって、ようやく定時に出発させることができました。しかし残念ながら……今年の2月、定時に出発できた日はゼロでした(涙)。その後も定時に出発できていないことが多いので、503便については徹底的に対策を講じなければいけません。
土肥: 7時30分の便が遅れるということですが、前後の便はどうでしょうか?
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