えっ、「介護」って造語なの? 市場をつくった“生みの親”に聞く:水曜インタビュー劇場(アイデア公演)(1/6 ページ)
「フットマーク」という会社をご存じだろうか。東京の両国に拠点を置く、従業員60人ほどの会社だが、これまで2つの市場をつくってきた。1つは「水泳帽子」、もう1つは「介護おむつカバー」。一体、どのようにして市場をつくってきたのだろうか。
現在、多くのプールで「水泳帽子」の着用が義務付けられている。その水泳帽子を開発した会社をご存じだろうか。東京・両国に拠点を置く「フットマーク」という会社だ。
創業当時は赤ちゃんのおむつカバーをつくっていたが、夏になると売り上げが落ち込んだので「なんとかしなければいけない」となった。「おむつの素材を使った水泳帽子をつくれるのではないか」と考え、商品化を進めた。まさに「おむつからおつむ」である。1969年に商品が完成し、ひとりの男が全国行脚。実際に、おむつをかぶって普及に務めたという。
その後、徐々に売れ始めて、いまでは欠かせないモノに。プールという狭い場所に、新しい市場をつくったわけだが、それだけでは終わらない。スイムバッグもビート板も、フットマークが開発したのだ。
「面白いモノをつくる会社だなあ」と思われたかもしれないが、この会社はもう1つ市場をつくっていたのだ。それは「介護おむつカバー」。驚くのはまだ早い。日常会話でごく当たり前に「介護」という言葉が使われているが、実はフットマークが生みの親である。
「水泳帽子」「介護おむつカバー」など、これまでになかった商品を次々に開発し、市場をつくりあげてきたフットマークとはどのような会社なのか。「大きな会社なんでしょ」と想像されたかもしれないが、現在の従業員は60人ほど。水泳帽子や介護用のおむつカバーを開発した1970年前後は、もっと少なかった。
前回、水泳帽子の売り込み方法を中心に話をうかがったが、今回は介護おむつカバーの開発秘話に迫っていく。同社の磯部成文会長に、当時の話を聞いたところ……。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
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