スマートフォンのよく使う機能としてTwitterなどの「SNS」を挙げる人が減っている──JTB総合研究所の調査でこんな結果が出た。減少は調査開始以来初めて。使われ方も情報収集にシフトしつつあり、交流ツールとして普及したSNSの利用も曲がり角を迎えているのかもしれない。
調査はスマートフォンと旅行消費の動向を調べる目的で毎年実施。今年は、過去1年以内に日帰りも含めた国内旅行を1回以上経験した18〜60歳の男女1030人を対象に、インターネット上で9月24〜26日にかけて実施した。
SNS利用者数が初の「減少」、男性のInstagram利用者は増加傾向
「スマートフォンでよく使う機能」として「SNS」を挙げた人は37.9%。昨年の44.8%から約7ポイント減となり、2013年の調査開始から初めて減少した。
利用減は40代女性を除く全年代でみられ、中でも18〜29歳の男性が14.6ポイント減、次いで30代の女性が12.6ポイント減と、若い世代で顕著だった。
サービス別では、男性でTwitterとFacebookの利用が減少傾向に。その一方、Instagramは18〜29歳、40代、50代の男性で増加。女性に人気のInstagramだが、男性にも利用が広がっているようだ。
SNSの使用法が「交流ツール」から「情報ツール」へと変化
SNS利用が減った一方で、「いいと思わなくても投稿者に気を使っていいね、などの評価をつけた」といった項目も減少。いわゆる“SNS疲れ”はいったん落ち着いている。
JTB総合研究所は「SNSに疲れた人たちが利用をやめ、ある程度活用している人たちが残った結果では」とみる。「SNSに関心がなくなってきたので利用頻度を減らした・やめた」は減少していたが、「自分の時間が取られ過ぎるのでSNSの利用頻度を減らした・やめた」は増えていた。
利用の仕方にも変化が現れている。「昔の知り合いとつながり再び交流するようになった」といった項目は減っているが、「SNSで知った情報でいいと思ったものを購入した」「SNSの投稿で行ってみたいと思った場所に行った」などは増加。「交流ツールから、ニュースや消費などの情報ツールとしての利用へと変化しているのかもしれない」という。Instagramの利用増もこうした背景がありそうだ。
SNSを活用した企業のPRは、若者ほど肯定的
SNSを利用した企業のPRは当たり前になっているが、「普通のWebサイトの方が分かりやすい」という人が全体の約3割と最多。ただ、「リアルタイムに予約状況やキャンペーンなどが分かり便利」「他の人のコメントなどが参考になる」と肯定的な評価が29歳以下ほど高く、「若い人ほど企業のSNS利用に肯定的」とみている。
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