社長が語る「ライザップ経済圏」とは:自己投資産業で世界一になる(3/3 ページ)
なぜいまライザップグループはアパレルに参入するのか。また、住関連領域から介護まで多角的な経営を推し進める裏にある競争優位性とは何か。瀬戸健社長に今後の展望と戦略を聞いた。
「ライザップ経済圏」に限界はない
――そうした世界観の先に1兆円規模の「ライザップ経済圏」を構想されているということですか?
瀬戸: はい。「生理的欲求」を満たすような必需品は市場規模に限界がありますよね。食べ物を例にとれば、ある一定以上胃袋が広がることはありません。一方で自己投資に基づく買い替え需要に限界はないので必ず伸び続けていきます。現在も英語教室や料理教室の事業を展開していますが、今後もこうした教育事業、自己投資事業により力を入れていきます。
われわれに終わりはありません。会社としての自己実現は、ある意味で『ドラゴンクエスト』のようなRPGに近いかもしれませんね。1人でスタートした当初は「スライム」すら倒すことができない。それでも同じ目的を共有する仲間が集まり、戦いを重ねることで経験値もたまり、強くなっていく。最終的にラスボスを倒せるようになるというプロセス自体が目的なわけです。それは会社も個人も一緒です。
さらに言えば、人生にはゴールがない。高い時計を買ったからといって、必ずしも幸せが手に入るわけではありません。また次に欲しくなるものが出てくるのです。ちなみに僕自身は、時計は2回しか買ったことがありませんし、靴下は100円ショップで買ったものだったりしますが(笑)。
――最後に、改めて「ライザップグループ」としての目標、そして瀬戸社長自身が事業を通じて成し遂げたい自己実現について教えてください。
瀬戸: 世界一収益を上げる企業にしたいと本気で思っています。「人は変われる」を証明するという事業を通じ、社会に価値を生み出せるということ自体に最大の自己肯定感を見い出せるんです。
自己肯定感というものは、つまるところギブ&テイクの「ギブ」のこと。「ライザップでよかった!」というユーザーの声を聞くと、涙が出るほどうれしい。なぜかといえば、「自分の事業には意味があるんだ」ということを自己認識できるからに他なりません。「なぜ自分が感動しているか」ということを知ることで、人生の幸せな過ごし方が分かると思うんです。だからこそ、事業もそこを追求していきます。まずは、20年までに売上高3000億円を目指します。
長谷川リョー(はせがわ・りょう)
1990年生まれ。修士(東京大学 学際情報学)。リクルートホールディングスを経て、独立。日本テレビ『SENSORS.jp』シニアエディター。複数媒体でライティング、構成、企画、メディアプロデュース、書籍構成など。
Twitter:@_ryh
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