東京地下鉄(東京メトロ)は、忘れ物防止用IoT(モノのインターネット)製品の開発・販売を手掛けるMAMORIO(東京都千代田区)と共同で、忘れ物の位置情報を持ち主に通知するサービスの実証実験を6月19日に始める。
飯田橋駅構内の忘れ物総合案内所と、特に忘れ物の多い渋谷駅(銀座線)、池袋駅(丸の内線)、新木場駅(有楽町線)の駅事務室に、MAMORIOが提供する専用アンテナを設置。忘れ物防止タグ「MAMORIO」の付いた忘れ物が届いた場合、持ち主のスマートフォンに位置情報を送信する仕組み。18年3月末まで実施する予定。
MAMORIOは、スマホとBluetoothで接続するIoTタグ。手元から離れると、紛失した時間と場所をスマホに通知する機能を持つ。これまで、日本航空(JAL)や東急電鉄などが、備品や落とし物の管理を目的に、同デバイスを活用した実証実験を行っている。
東京メトロによると、忘れ物受領件数は1日当たり1835件(16年度)に上っているが、返還率は約29%にとどまっている。最新のテクノロジーを活用した試みによって、忘れ物の早期発見と返還率向上につなげる狙い。
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