楽天モバイル、即席出店できる移動店舗カー導入:球場やレジャー施設を訪問
楽天モバイルが、車両型移動店舗「楽天モバイル キャラバンカー」を導入する。実店舗ではリーチできなかった顧客層との接点を拡大し、さらなる新規顧客の獲得につなげる狙いがある。
楽天は9月21日、MVNO(仮想移動体通信事業者)「楽天モバイル」の車両型移動店舗「楽天モバイル キャラバンカー」を導入すると発表した。車両にはスマートフォン・SIMカード・契約書などが入ったスーツケース、接客カウンター、料金プランなどを記載したのぼりを載せ、目的地に到着して10分程度で即席の店舗を設営できる。さまざまな地域や施設を訪れて実店舗ではリーチできなかった顧客層との接点を拡大し、さらなる新規獲得につなげる狙いだ。
今後はショッピングモール、公園、レジャー施設、スポーツ施設などを巡回し、買い物客やスポーツファンへ訴求していく。第1弾として、9月30日に東北楽天ゴールデンイーグルス対千葉ロッテマリーンズ戦が行われるKoboパーク 宮城(仙台市)を訪れ、新規契約などを受け付ける。
車両には提携企業のドライバーが1人、楽天モバイルのスタッフが2人ほど乗り、少人数でサービスを運営する。当面は1台のみ導入するが、状況に応じて台数を増やす方針という。キャラバンカーでの対面販売による収益目標は未定。
楽天の広報担当者は「現時点で移動型店舗を導入しているMVNOはまだないため、他社との差別化を図る目的もある。球場などでキャラバンカーを見たファンなどに“楽天モバイルが面白い取り組みをしているな”と感じてもらうことで認知度を広げたい」と話す。
顧客とのリアルなつながりを重視
楽天モバイル事業を担当する大尾嘉宏人 執行役員は「EC(インターネット通販)サイトや家電量販店での代理販売も大切だが、当社は実店舗で顧客とのリアルな接点を持つことを第一に考えてきた。キャラバンカーの導入も、その取り組みの一環」と背景を説明する。
楽天モバイルは2015年1月に東京・渋谷の「楽天カフェ」で契約の即日対応を開始して以降、ハイペースで出店を加速。代理店などを含めると、実店舗数は9月時点で174店舗にまで拡大しており、18年3月末までに200店舗まで広げる目標を掲げている。
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