人気スマホゲーム「FGO」 スマートフォン“外”への挑戦:アーケードとVR
人気スマートフォンゲーム「Fate/Grand Order」が、スマートフォンの“外”へと広がりを見せている。ゲームセンターのアーケードゲーム、家庭用のVRソフトを続々と展開。その狙いとは?
累計1100万ダウンロード突破のスマートフォンゲーム「Fate/Grand Order(FGO)」が、続々と新たな展開を見せている。ゲームセンターで遊べるアーケードゲーム、家庭で楽しめるVR(仮想現実)ソフトと、“スマホの外”に出る挑戦だ。
ゲームセンターに「FGO」が降臨
12月7日に“お披露目”したのが、ゲームセンターで遊ぶアーケードゲーム「Fate/Grand Order Arcade」だ。スマホゲーム「FGO」のキャラクターや世界観をもとにした、3Dキャラを操作して戦うアクションゲーム。ゲーム終了時にゲームで使えるキャラクターやサポートアイテムのカードが筐体からランダムで排出されるため、コレクション要素やバトルの戦略性が生まれるのが特徴。
制作のコンセプトは「スマホゲームの世界をそのまま3Dにする」で、普段アーケードゲームをあまりプレイしない層でも簡単に遊べる内容。全国稼働は2018年を予定しており、12月8〜10日に東京・秋葉原でロケテストを実施する。
人気Webゲームがアーケード展開するのは、ブラウザゲーム「艦隊これくしょん -艦これ-」のアーケード版「艦これアーケード」などの先例がある。16年4月に全国稼働した「艦これアーケード」は好調に滑り出し、ラウンドワンなどのアミューズメント施設の増収要因として名が挙がるほどの人気を獲得。稼働から1年以上経過した現在も、新規イベントなどを行っている。アーケード版「FGO」も同様の成功を収められるか注目だ。
マシュVRも無料配信
12月6日には、PlayStation VR(PS VR)向けソフト「Fate/Grand Order VR fear.マシュ・キリエライト」の無料配信を開始。通称「マシュVR」はゲームファンを中心に話題になり、Twitterでトレンド入りを果たした。
「FGO」のメインキャラクターである「マシュ」と1日を過ごすVR(仮想現実)コンテンツ。途中で選択肢が現れ、展開が3つに分岐する。ジャングルジム、バランスボール、ダンス……と、さまざまな動きをするマシュをほほえましく眺めることができる。
さらに、マシュのストーリーを全て遊ぶと、隠しモードの「アルトリア編」も解禁。1つのコンテンツで2つのストーリーが楽しめるようになっている。
PS VRの世界累計実売台数は200万台。コンテンツの供給が増え、普及は進むものの、まだまだ家庭に浸透しているとは言いにくい。そんな状況下でのPS VRソフトの無料配信は、体験版配信を除けばあまり前例がない取り組み。隠しコンテンツも入れればかなりのボリュームだ。「FGO」運営会社ディライトワークスの広報担当者は、「これまで知らなかった人にVRコンテンツをきっかけに知ってもらいたいというよりは、FGOのファンの方に楽しんでいただきたいと考えている。FGOユーザーにどれだけ喜んでもらえるかを念頭に置いている」と狙いを語る。
スマホゲーム以外への展開をする際、狙いは大きく2つに分かれる。1つ目は新規層の獲得、2つ目は既存ファンの深化だ。アーケード版やVR配信といった展開が目指すのはおそらく後者。スマートフォンから幅を広げ、さまざまな角度からFGOの楽しみ方を提案する。それは熱心なファンへのサービスであるとともに、「FGO」のIP(知的財産)の価値向上にもつながっている。
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