医療情報を「検索せず、専門家に聞くべき」と考える医師は8割 その理由は?:Googleがアルゴリズム改善も
医師は、Web上の医療情報の信頼性についてどう考えているのだろうか。調査によると、「検索よりも、直接聞いてほしい」と考える人は約8割を占めた。「変な先入観が入ると修正不能になる」などが理由として挙がった。
医師の77%が「患者は自身の症状をインターネットで検索せず、医療従事者に直接聞いてほしい」と考えている――医師向けコミュニティサイト運営のメドピアの調査でこんな結果が出た。
「医療従事者に直接聞いてほしい」と答えた人に、その理由を聞いたところ「治療の遅れにつながることがある」「変な先入観が入ると修正不能になる」「適切な治療を適切なタイミングで始めることが大切」といった声が多かった。
ネットで得た情報を基に、症状を自己診断した患者の対応に困った経験がある医師は30%。「副作用の不安をあおる情報を得た患者が服薬を中断し、病状が悪化した」などの体験談が寄せられた。
Googleがアルゴリズム改善も……
Google日本法人は2017年12月に検索エンジンのアルゴリズムをアップデートし、医療情報を日本語検索した際、専門家が提供した信頼度の高いWebサイトが上位に表示されやすい仕様にした。
だが、この施策によって「インターネット上の医療情報が改善する」と考える医師は19%にとどまった。「改善しない」は9%、「分からない」は72%だった。
「分からない」と答えた医師からは、「一般の人は自分の意向に合ったWebサイトを探すから」などのコメントが集まった。
また、「現在も医療情報を発信しておらず、今後もその予定はない」と考える医師は88%に上った。「対面以外で物事を正しく伝えるのは難しい」「下手に発信すると、攻撃されるかもしれない」などの意見が寄せられ、情報伝達の難しさがネックになっていることが分かった。
調査は17年12月20〜21日にかけて、メドピアのコミュニティサイト「MedPeer」に登録する医師530人を対象にインターネット上で実施した。
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