「会社に行きたくない」 その不調、“男性更年期障害”かもしれない:男性ホルモン減少の原因は……(1/2 ページ)
「毎朝、元気がない」「やる気が出ない」「会社に行きたくない」――。それは、男性ホルモンの減少による「更年期障害」かもしれない。男性社員がホルモンマネジメントに取り組む「ホルモン部」を立ち上げたアンファーの活動から、男性ホルモンを減少させないためのポイントを探った。
「毎朝、元気がない」「やる気が出ない」「会社に行きたくない」――。もしかして、うつ病? いやいや、その原因は意外なところにあるかもしれない。それは、「男性ホルモン」だ。男性ホルモンの減少による「更年期障害」ではないだろうか。
「更年期障害? それは女性特有のものだろう」と思うかもしれない。女性ほど認知されていないが、男性も40歳前後から「テストステロン」という男性ホルモンの減少によって、心身に影響を及ぼすことがあるのだ。
男性ホルモンをうまくコントロールし、毎日元気に過ごすためには何が必要なのか。自ら体験してそれを明らかにしようとしているのが、シャンプー「スカルプD」シリーズで知られるアンファーだ。男性社員がホルモンマネジメントに取り組む「ホルモン部」の取り組みから、男性更年期障害の症状を軽減する生活習慣のポイントを探った。
外来患者数は2年で3倍に
アンファーはスカルプケア商品の知名度が高いが、さまざまな専門分野の医師と連携し、スキンケア商品、健康食品、サプリメントなどの研究開発も手掛けており、「予防医学」を事業の柱としている。その観点から、社員自らホルモンケアを学ぶ活動を2017年10月に立ち上げた。
「男性ホルモンというと性的なイメージがあるかもしれませんが、それ以外でも非常に重要です。減少すると、イライラや不眠、疲労感、活力低下などの症状が現れることがあります。しかし、実際にホルモン値がどのように変動し、どうしたら健康を維持できるのか、あまりイメージできなかったことから、まずは自分たちでやってみることにしました」と、ホルモン部を立ち上げた広報課の北島尭さんは説明する。
アンファーと連携する男性専門医療機関によると、男性更年期障害による外来患者数は2年間で約3倍に増加。少しずつ認知され、症状を訴える男性が増えているという。
ホルモン部で活動するメンバーは現在13人。事前に血液検査でテストステロン値を計測しており、メンバーには数値が高い人も低い人もいる。食事や運動などの生活習慣を改善することで、体調やテストステロン値の変化を観察している。
活動を始めて半年後、20代後半〜40代前半の4人のテストステロン値を計測してみると、1年前と比べて大幅に高まった。特に、ある30代後半のメンバーは、活動前の数値が4.5で、30代の基準値(4.7〜21.5)を下回っていたが、活動後は11.9まで向上した。
いったい何が男性ホルモンを高めたのだろうか。
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