エンタープライズ:ニュース 2003/07/06 19:45:00 更新


日本BEA、Workshopを統合した「BEA WebLogic Platform 8.1」日本語版発表へ

日本BEAが7月16日から都内のホテルで開催するBEA eWorld Japan 2003カンファレンスで「BEA WebLogic Platform 8.1」日本語版を発表するもようだ。開発ツールのWorkshopも統合され、J2EE開発の簡素化をリードする。

 日本BEAシステムズは今月中旬、都内のホテルで開催する「BEA eWorld Japan 2003」カンファレンスでミドルウェア製品の統合をさらに進めた新しいプラットフォーム「BEA WebLogic Platform 8.1」日本語版の出荷を明らかにするもようだ。

 同社は4月からWebLogic Server 8.1Jを出荷しているが、WebLogic Platform 8.1Jは、WebLogic IntegrationやWebLogic PortalといったランタイムコンポーネントをWebLogic Server上に統合したほか、このバージョンからWebLogic Workshopによって開発環境も統合している。カスタムロジックもインテグレーションも同じマナーで開発できるのが強みだ。米国では今年3月のBEA eWorldで正式発表されている。

 企業の情報システムは、1995年にデビューしたJavaを原動力に、オープン化が進行中だ。先進的な企業は、J2EEをベースとしたコンポーネントの再利用やフレームワークの統一などによって、かつてなかった高いレベルの開発生産性を享受しようとしている。

 しかし、J2EEは得られる果実が大きいだけに、技術者に要求されるスキルのレベルも高い。今後、さらに多くの企業がJ2EEの恩恵を享受するにはJ2EE開発の「簡素化」は避けて通れない。実際、今年6月にサンフランシスコで開催されたJavaOneカンファレンスでは、Sun Microsystemsがコンポーネントを組み合わせることでJ2EEアプリケーションを簡単に開発できる「Project Rave」を披露するなど、こうしたJava開発の簡素化が大きくクローズアップされた。

 J2EE市場のパイオニアであるBEAは、ここでも既に先手を打っている。同社は昨年2月。ヨCajun」のコードネームで開発が続けられてきたWebLogic Workshopを正式発表◆しており、今年3月にはWebLogic Platform 8.1でミドルウェア製品群との統合も図っている。これによって、WebLogic Workshopは、単にJ2EEのコードをWebサービスでラッピングするなどして、再利用を簡素化するだけでなく、メインフレームのレガシーコードやSAP R/3のようなパッケージアプリケーションも併せてラッピングできる。もちろん、マイクロソフトが推進する.NETもWebサービス標準によって統合できる。

 JavaOneカンファレンスでは、開幕に先立ってユーザーやパートナーを集めたラウンドテーブルを開催し、BEA Workshopの「実績」をアピールしている。

 「Javaコントロール」をドラッグ&ドロップで配置し、プロパティを設定するというWebLogic Workshopのアプローチは、Visual Basicに似ている。それもそのはずだ。WebLogic Workshopは、同社が2001年7月に買収した米CrossGainの技術をベースに開発されたものだが、CrossGainの共同設立者であるアダム・ボスワース氏はかつてMicrosoftで開発ツールを担当していた。

 そのボスワース氏は、BEA eWorld Japanの基調講演のために会長兼CEOのアルフレッド・チュアング氏らとともに来日する。現在、同社のチーフアーキテクト兼開発担当上席副社長を務める彼は、BEAのXMLおよびWebサービス戦略について話すという。

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関連リンク
▼BEA eWorld Japan 2003オフィシャルサイト

[浅井英二,ITmedia]