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2004/03/26 20:37 更新


IT People:企業PRの楽しさは段取りを考えること

IT企業のPRを担当する大橋みどりさん。Sybase、Oracleなどの広報担当を経て、個人事業主としてPR業務の請負で独立した
名前 大橋みどり(おおはし みどり)さん
職業 企業PR
所属 レジェンドPR
出身地 岡山県
早稲田大学第一文学部時代は、日本文学を専攻したという大橋さん。樋口一葉の「たけくらべ」の研究などを行ったという。「本を作りたい」という希望もあり、最初の就職先は出版社に決めた。

 IT企業のPRを担当する大橋みどりさん。Sybase、Oracleなどの広報担当を経て、個人事業主としてPR務の請負で独立した同氏は、クライアント企業の強みをいかに認知させるかについて、日々真剣に取り組んでいるという。今後も、PRを通して、企業と顧客をよりよい形で引き合わせることに注力したいと話す。

過去

 出版社で編集者を3年間務めた後、日本DECに移る。同社では、新製品やユーザー事例などを紹介する広報誌の編集を行った。「ITにはノータッチだった」という同氏は、VAXやVMSといった製品を理解するのに苦労したという。その後、DECにおいて、年収分の手当てを受け取れるという早期退職制度を利用し、同社を退職。1カ月ほどニューヨーク、ワシントン、ロスアンゼルス、ピッツバーグといった米国の主要都市を訪れ、リフレッシュした。

 およそ3年間を過ごしたDECの後、サイベースに転職。Oracleではなく、データベース2番手の同社に興味を持ったという同氏が任されたのは広報。そこで、IT業界におけるさまざまな関係者と交流を持つことになり、それが今も役立っているという。その後、日本オラクルに入社。「株式を上場する企業での経験を積みたかった」という同氏は、オラクルでは社長室の広報を担当した。

 2001年1月、日本のソフトウェア・ベンチャー企業に入社。ここでも広報を担当し、およそ3年が過ぎたころ起業を思い立つ。「もう5社を経験しており、転職という形は望まなかった。1社ではなく、いろいろな仕事で自分の経験を生かしたかった。」

現在

 現在は、「レジェンドPR」という屋号で独立。個人で企業のPRを担当している。クライアントは主にIT関連企業という。例えば、記者を集める場合、クライアント企業が独自に行うよりも、業界経験が長く、ノウハウを持つ同氏の方がいい結果になることが多いという。

ITmedia 今後はどのようなことを行いたいですか?

大橋 現在は、現在は、正社員で勤めていたソフトウェア・ベンチャーの雇用体系を契約社員に変更して勤務しているほか、e-ラーニングコンテンツを提供するクライアント企業のPRを担当しています。今後も、数を増やすというよりは、クライアント企業とじっくりと付き合っていきたいです。例えば、定例会を開催し、メディアリレーション、マーケティング戦略などについて提案することを考えています。

 IT業界では、テクノロジーが次々と登場しますが、それを使うユーザーは実は細かい技術の違いなどには関心がないことも多い。それよりも、技術を使って実現できることにフォーカスを当て、経営者に伝わるようなプロモーションを展開していきたいです。

ITに関わっていて苦労すること

 PRの主な業務は、プレスリリースの発信、記者発表会や説明会の開催などです。これらを、どのような流れで実行すると効果が高いのかを考えることが、とても面白いと思っています。

 ただ、特にシステム開発ツールなどは、とても分かりづらいため、記者が分かるように説明するのに苦労することがあります。自分が理解していないと説明はできないことをよく感じます。

 また、就職した当初は、自分でやりたいことが分からず、どうすればいいか迷った記憶があります。ただ、年月が経つにつれて、「ITの広報なら役に立てる」ことに気づき、迷いが消えました。

趣味など

 愛玩動物飼養管理士2級というあまり耳慣れない資格を持つ大橋さん。趣味として、ペットシッターをやりたいという。最近見た映画で気に入っているのは、「ファインディング・ニモ」「シービスケット」「ラブ・アクチュアリー」など。

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大橋さんの愛猫というチビラ。

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[聞き手:怒賀新也,ITmedia]

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