富士通、RSA暗号処理を高速化する専用回路を開発

富士通研究所と富士通は、公開鍵暗号として広く利用されているRSA暗号処理を高速に実現する専用回路を開発したことを発表した。

» 2004年07月12日 19時59分 公開
[ITmedia]

 富士通研究所と富士通は7月12日、公開鍵暗号として広く利用されているRSA暗号処理を高速に実現するハードウェアアーキテクチャを開発したことを発表した。

 RSA暗号においては、鍵長を長くすればするほど安全性が高まるが、処理に要する時間もまた延びてしまう。今回開発されたのは、RSA暗号処理の中でも処理に時間を要する乗算剰余演算を高速化する専用回路だ。この積和演算回路を用いることにより、RSA暗号処理回路の高速化に加え、小型化、低消費電力化が実現されるという。

 具体的には、この演算回路をICカード上の専用コプロセッサとして実装することで、鍵長が2048ビットのRSA暗号処理を、1024ビットのときと同等レベルの1秒以内で実現できるという。また、同様にネットワーク用LSIに実装した場合、1024ビットのRSA処理を毎秒約5000回という、従来の5倍に相当する処理速度が可能になるという。

 富士通および富士通研究所では、2005年ごろの実用化を目指して開発を進めていくとしている。

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