中小企業向けSSL-VPNでも攻勢、ジュニパー

ジュニパーネットワークスは、中小企業をターゲットにしたSSL-VPNアプライアンス「NetScreen Remoto Access 500」シリーズを発表した。

» 2004年08月17日 14時42分 公開
[堀 哲也,ITmedia]

 ジュニパーネットワークスは8月17日、中小企業をターゲットにしたSSL-VPNアプライアンス「NetScreen Remoto Access 500」(RA 500)シリーズを発表した。同社が展開している「NetScreen Secure Access」(SA)シリーズに比べて、機能を絞ることで中小企業でも導入を容易にした。

小澤嘉尚氏 「中小企業のリモートアクセス用途に特化させて設計した」と小澤嘉尚氏

 ET事業部技術本部セキュリティ製品担当の小澤嘉尚SEリーダーは、発表にあたり「SAシリーズは大中企業。RAシリーズは従業員のリモートアクセスに特化して、中小企業向け市場にアグレッシブに参入する」と意気込みを語る。それも、ジュニパーが傘下に収めたネットスクリーンテクノロジーズが約1年前にSSL-VPNを手に入れて以来、この市場で45%と高いシェア(Infonetics調べ:2004年第1四半期)を誇っており、これを中小企業向け市場でも獲得したいからだ。

 SSL-VPN製品は、IPSecによるVPNのように専用のクライアントソフトが必要なく、標準のWebブラウザを利用してインターネット越しのVPN接続を可能にするのが特徴。サポートなどの運用コストが低減できるとあって、現在需要が急増している。

RA500シリーズ NetScreen Remote Access 500シリーズ

 同社の中小企業向けRA500シリーズは、SAシリーズと同じ「IVE(Instant Virtual Extranet)4.0」プラットフォームで動作する。機能面では、クラスターやバックエンドサーバとのシングルサインオン、細かなアクセスポリシーといったSAシリーズが備えていた柔軟性や拡張性をそぎ落とした反面、導入の容易さを追求した。

 また、SSL-VPNの方式にトンネル方式のみを採用したことで、どのアプリケーションを通すか、などといった細かい設定を事前に行う必要がない。「3日もあれば計画から導入までできる」のが売りだ。

 同時接続ユーザー数が10の「RA510」、25の「RA525」、50の「RA550」の3モデルをラインアップしており、目安としてはRA510が従業員数100人程度、RA525が250人程度、RA550が500人程度の企業向けということになる。

 チャネル販売となるため価格はオープンプライスとしているものの、エントリーモデルのRA510で90万円を切る価格で販売したい。「このクラスの他ベンダー製品に比べて、価格設定もアグレッシブだ」とET本部システムエンジニア、乙部幸一朗氏は言う。

 「他のベンダーのSME向け製品もあるが、機能や価格設定がSEM向けに最適化されていない。この市場に対しオールインワンのパッケージとして提供できるのはジュニパーだけ。IPSecとSSLのワンボックスベンダーは、SSL-VPNの技術でまだ競争力を持てていない」。この市場での優位性をアピールする。

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