RFID前夜:EPC Globalの成り立ち

EPC Global発足の基盤になったAuto-ID Centerの成り立ちから、これまでの経緯を整理する。

» 2004年09月28日 19時06分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 RFIDで利用されるICタグに用いられるコード体系として世界標準になろうとしているEPC(Electric Product Code)は、非営利法人であるEPC Globalが推進するもの。EPC Global発足の基盤になったAuto-ID Centerの成り立ちから、これまでの経緯を整理する。

Auto-ID CenterがMITに設立

 1999年10月、マサチューセッツ工科大学(MIT)にAuto-ID Centerが設置され、バーコードに次ぐ次世代システムの研究開発が開始された。UCCを含め、100以上の卸売業者、製造業、システムベンダーが参加。

 また、MITのほか、英ケンブリッジ大学、オーストラリアのアデレード大学、日本の慶應義塾大学、スイスのM-Lab.(ザンクトガレン大学とチュウリッヒ工科大学)、中国の復旦大学に研究拠点が設置された。

EAN.UCCがEPC Global設立

 2003年5月、国際EAN協会の総会で、Auto-ID Centerの研究成果を踏まえ、EANとUCCが共同で組織を設けることが決まった。9月の国際EAN協会の臨時総会で、EANとUCCが共同で非営利法人EPC Globalを設置し、RFID技術とネットワーク技術を組み合わせた「EPCシステム」を実用化していくことが決まった。秋に、EPC Global Inc.が発足した。

 EPC Globalは、EPCシステムを、RFID技術とネットワーク技術を組み合わせたグローバルなシステムと定義。具体的には、「ICタグをつけた商品やパレットなどをサプライチェーン全体で無線スキャナで識別するともに、ICタグに書き込まれた当該商品のEPCコードをキーとしてインターネット経由で関連データベースにアクセスし、その商品の属性情報を即時に取得する」と説明している。

 なお、2003年10月、東京で開催された理事会で、Auto-ID Centerは最終的な研究成果を報告して役割を終了、Auto-ID Lab.と改称し、EPCシステムに関する研究開発を推進することになった。

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