投資家だまして株売り逃げの詐欺メールが急増

Sophosの今年上半期スパム動向報告書によれば、最も多かったのはバイアグラなどの医薬品宣伝、2位が金融関係、3位がアダルト。4位に株の詐欺メールが浮上した。

» 2005年08月05日 08時16分 公開
[ITmedia]

 セキュリティ企業のSophosが8月3日発表した今年上半期のスパム動向報告書によれば、特定の株が買い時だと宣伝し、信じて買った投資家に大損をさせる類のスパムメールが急増しているという。

 Sophosでは、各国のネットワークを通じておとり用のスパムトラップで受信した迷惑メールを内容別に分類。その結果、最も多かったのはバイアグラのような医薬品を宣伝する迷惑メールで全体の41.4%を占め、次いで抵当・ローン関連のスパムが11.1%、アダルト関連は9.5%だった。

 8.5%で4位に浮上したのが株式関連の詐欺メール。これは、特定株に関する偽情報をばらまいて今が買い時だと思い込ませ、買いが集中して値上がりしたところで、騙した側が手持ち株を放出して宣伝を中止。信じて買った側は株価下落で損をする仕組みになっている。Sophosの分析によれば、今年上半期でこの類のスパムの量が毎月10%ずつ増えているという。

 「世間知らずのコンピュータユーザーを狙った電子メール経由のソーシャルエンジニアリングが増えており、危険なトレンドとなっている。従来型のフィッシングの手口と組み合わせた株式詐欺では、結果として被害者が大損する可能性がある」。IDCリサーチマネジャーのブライアン・バーク氏はこう指摘している。

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