ポルノサイトの閲覧を妨害するトロイの木馬

トロイの木馬「Yusufali-A」はユーザーがアクセスしたWebサイトを監視し、コーランのメッセージを表示してアダルトサイトの閲覧をやめさせようとする。

» 2005年09月06日 18時18分 公開
[ITmedia]

 英セキュリティ企業Sophosは9月5日、コーランのメッセージを表示し、アダルトサイトの閲覧を妨害しようとするトロイの木馬「Yusufali-A」について警鐘を鳴らした。

 Yusufali-AはWindowsに影響する。これはアクティブウィンドウのタイトルバーを調べて、ユーザーがアクセスしているWebサイトを監視する。タイトルバーに「teen」「xx」「sex」などの単語を見つけると、ユーザーがコンテンツを見られないようにウィンドウを最小化し、以下のようなコーランのメッセージを表示する。

(写真:Sophos)

 「ほかのマルウェアとは違い、このトロイの木馬は金や機密情報を盗むのでなく、モラルの守護者として行動しているらしく、好ましくないと判断したWebサイトの閲覧を妨害する」とSophosの上級技術コンサルタント、グラハム・クルーリー氏は発表文で述べている。「もちろん、このトロイの木馬が誤って医療サイトや10代向けの交流サイトなどを遮断する可能性はある」

 Yusufali-Aはアダルトサイトが開いたままになっている場合、メッセージを表示し続け、しばらくしてから「For Exit Click Here(終了するにはここをクリック)」というボタンを表示する。マウスを動かすと、このボタンは以下のようなボックスに変わり、マウスポインタをこのボックス内でしか動かせなくなる(キーボード入力は有効)。

(写真:Sophos)

 このボックスには「ログオフ」「シャットダウン」「再起動」のボタンが表示されるが、どのボタンをクリックしてもコンピュータからログアウトする。

 「このトロイの木馬は冗談か、あるいはインターネットユーザーの行動を浄化するというまじめな目的のために書かれた可能性がある。その理由が何であれ、ユーザーは最新のウイルス対策ソフトやファイアウォールでシステムを保護するべきだ」(クルーリー氏)

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