IEの未パッチの脆弱性によって生じる問題からユーザーを保護するため、Googleは、Google Desktopに修正を加えた。
MicrosoftのWebブラウザ、Internet Explorerのまだパッチがリリースされていない設計上の脆弱性によって生じる問題からユーザーを保護するため、Googleは、Google Desktopアプリケーションに「修正」を加えた。
この問題は、イスラエルのハッカー、マタン・ギロン氏が発見して報告したものだ。Google Desktopもしくはほかのインターネットに接しているアプリケーションを用いて、悪意ある攻撃者が簡単な方法で、ユーザーの情報をこっそり入手してしまう恐れがある。
「顧客を保護するため、製品に修正を加えた」とGoogleの広報担当者、ソニヤ・ボラルフ氏は述べた。
同氏は、Google Desktopに加えられた修正の詳細については明らかにすることを拒んだ。
ボラルフ氏によると、防御のためユーザーが何らかの行動を取る必要はない。というのも、リモートアクセスを通じた攻撃をブロックするための変更は「Google側で」行われたからだ。
ギロン氏が公開したコンセプト実証コードを含むアドバイザリーによると、この脆弱性はすべてのパッチを適用したIEで、セキュリティ/プライバシー設定がデフォルトのままの状態のときに存在する。
Microsoftも脆弱性の存在を確認しており、今後リリースするIEのアップデートに修正を織り込むことを約束した。
この脆弱性を悪用するには、攻撃者はただターゲットを悪意あるWebサイトに誘導すればよい。
「典型的なクロスサイトスクリプティングの脆弱性と同じように、IEに存在するこの設計上の脆弱性は、攻撃者がユーザーのプライベートなデータを入手したり、リモートドメインでユーザーに成り代わって操作を実行できるようにしてしまう」とギロン氏。
ギロン氏はこの問題を、クロスドメインセキュリティモデルに違反する、IEのデザイン上の問題だと説明している。
同氏は、IEが適切にCSSファイルを解釈せず、有効ではないCSSファイルのインポートを許してしまうことを発見した。
これにより攻撃者は、CSSファイルとして不適切な形でインポートされるリモートサイトから、HTMLやスクリプトコードを表示させる道を得ることになる。そして、こうしたWebサイトは、問題を悪用するサイトとは別のドメインに存在する。
「何千ものWebサイトが悪用されかねない。そして、少なくともIEが修正されるまで、この問題に対する簡単な解決策は存在しない」(ギロン氏)
同氏はIEのユーザーに対する一時的な回避策として、JavaScriptを無効にするか、他のWebブラウザを利用するよう推奨している。
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