NTTコミュニケーションズは、企業向けの安全なインスタントメッセージングシステム、「セキュアードIM」を開発した。年内のサービス化を目指す。
NTTコミュニケーションズは1月23日、企業向けの安全なインスタントメッセージング(IM)システム、「セキュアードIM」を開発したことを発表した。端末同士が直接メッセージをやり取りする代わりに、いったんサーバを経由する仕組みを取ることにより、ログの管理を実現する。
IMは手軽なコミュニケーションツールとして企業内でも広く利用されるようになった。だが同時に、ワームやフィッシングといった攻撃の新たなターゲットとなっているほか、機密情報/個人情報漏えいの経路になりうるという意味でリスクを招いている。
NTT Comが開発したセキュアードIMは、こうした課題の解決を目指したもの。サーバを経由してメッセージをやり取りすることにより、添付ファイルも含めたメッセージ内容の把握とログの保存を実現する。また、端末とサーバの間の通信はSSL VPNによって保護し、盗聴などから防ぐ仕組みだ。プレゼンス機能、携帯電話対応などの機能も盛り込んだ。
同社は、セキュアードIMのログ保存機能を活用することにより、IMに信頼性を持たせることができるとしている。コールセンターにおける対応の補助など、企業業務の一環としてIMを利用できるほか、対応記録を保存することにより、SOX法および日本版SOX法で求められる内部統制の実現を支援できるという。
既に、フィリピンでデータセンター/ISP事業を手がけるePLDTが、プロジェクトマネジメントやカスタマーリレーションといった業務にセキュアードIMを採用しているという。NTT Comでは引き続き実証実験を進め、2006年中にホスティングサービスの付加価値サービスとして提供する計画だ。
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