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» 2006年04月19日 12時41分 UPDATE

Leverage OSS:オープンソース対プロプライエタリ系管理ツール

これから導入する管理ツールをオープンソースとするかプロプライエタリ製品とするか。中小規模の企業であれば、必要最小限なものだけ導入する方向で検討したほうが、はるかに効率的だろう。

[Ranga-Rangachari,IT Manager's Journal]
SourceForge.JP Magazine

 これから導入する管理ツールをオープンソースとするかプロプライエタリ製品とするかで揺れている組織が行わなければならないのは、プロプライエタリな競合品の80%と同等な処理ができる低コストなツールを選択して、その際に一部の豪華で特殊な機能を犠牲にするか、という決断であろう。

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 大手の組織であれば、たいていの場合は、すべての追加機能込みでの購入を選ぶだろうが、これは実際にそうした機能を使用するケースもあり得るからだ。これに対してオープンソース系管理ツールの真のターゲットとなり得るのは中規模クラスの組織であり、そうしたところでは、信頼性が確保できるという条件付きで、セットアップや設定および維持の負担が軽く、無駄に高価な値札など付いていないツールを用いた業務の管理が求められているのだ。もっとも、近年におけるオープンソース系管理ソリューションの発達は、値札だけでなく品質も差別化の要因にしつつある。

 昨今のハイブリッド型オープンソースビジネスモデルでは、複数のオープンソースツールをパッケージ化して、業務ニーズに則した総合ソリューションとして提供することが行われているが、これはITインフラストラクチャー管理に悩まされている中規模クラスの企業にとっての朗報ではなかろうか。こうした規模の企業の場合、大艦巨砲主義的な大型ソリューションに手を出すことはできず、ヒューマンリソースやスキルの面でも、複雑なシステムを運用するだけの余裕はないのが普通だろう。また、Enterprise Management Associatesによる調査によると、プロプライエタリ系の管理ツールを運用している企業の大部分は、提供された全機能の半分も活用していないとのことである。

 Open Software Development Labsで主任アナリストを務めるデイブ・ローゼンバーグ氏によると、「中小規模の企業になるほど、既存製品の恩恵を受けにくい傾向にある」とのことである。「Tivoli、 OpenView、BMC Patrol、CA Unicenterなどの製品を中小企業が購入するのは、永久に使用することのない機能に代金を支払っているのも同じ」。

 オープンソースによる価格破壊が行われているのは、こうしたIT管理の分野においても同様だ。オープンソースの有す柔軟性は、自前のインフラストラクチャーやネットワークの管理に“必要最小限”なものだけの導入を可能としており、肥大化した機能群への高額な支払いを強制されることなく、レガシーベンダーから提供されているソリューションと同等の処理を遂行できる。そのほかにも、コード関連の透明性や、カスタマイズや拡張力の高さなども、大きなメリットとして数え上げられるだろう。

 オープンソースとプロプライエタリなツールとの間に広がるギャップは、単なる価格だけの問題ではなく、インフラストラクチャの面にも及んでいる。例えばカスタムアプリケーションを運用している場合に、そのモニタリングを巨大なプロプライエタリ系ベンダーソリューションを用いて実行しようとすれば、モニタリングエージェントの開発に必要なAPIの知識を有す人間を雇うと同時に、モニタリング用の機能がベース製品でサポートされていることを神に祈るしかない。これに対してオープンソースであれば、API関連の情報は万人に公開されており、ベース製品の変更が避けられなくなった場合でも、比較的簡単にソースコードを確認して必要な修正を施すことができる。

 ITの管理やモニタ業務へのオープンソースの導入に尻込みしている組織からは、さまざまな障害がその理由として列挙されている。いわく、インストールや設定が複雑だ。マニュアル類が整備されていない。サポートが確立されていない。総合的なソリューションとして完成していない。スケーラビリティで見劣りする……。IT機能が業務の中核を占めているケースや、停止の許されないミッションクリティカルなアプリケーションを運用しているケースにおいて、果たしてオープンソースだけで必要なサポートや信頼性を確立できるのだろうか? 評価の過程において、価格よりも品質を優先せざるを得なくなるのは、こうした問題に直面した場合である。

 このようなオープンソースのアキレス腱を回避すべく誕生したのが、ハイブリッドオープンソースを扱う企業である。これらの企業では、群雄割拠の状態にあった複数のオープンソースプロジェクトを糾合して企業謹製のオープンソースプロジェクトに仕立て上げることで、“万能型”の総合ソリューションを提供している。こうした動きが中規模クラスの企業の間で反響を呼び始めているのに、何の不思議もないだろう。また多くの場合、実際的な興味を示しているのは、オープンソースへの“門戸の解放”をして、複数のオープンソースコンポーネントを実装するべく取り組んできた組織である。

 高価なプロプライエタリ系IT管理ソリューションにはとても手を出せない中規模の組織であれば、時代に先手を打つことで大きなメリットを享受できるのは疑いがないだろう。多くの機能を確保できる反面、一部の“あれば便利かな”的機能は失うかもしれないが、購入に伴う多額の資金を始め、インストレーションや設定およびその後のメンテナンスに費やす多くの時間をも節約できるのだ。すでにオープンソース系の管理/モニタリングツールは、それだけの魅力を身につけている。現在の問題は、市場機会の確保という微妙なバランスが求められる作業にどのベンダーが成功するかであり、必要とされる付加価値をオープンソースプロジェクトに上乗せできるかである。

Ranga Rangachariは現在、オープンソースベースのIT業務管理ソリューションのプロバイダであるGroundWorkにて、CEOを務めている。以前は、2004年にVeritasに購入されたInvio Softwareの創設者としてCEOを務めていた。


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