Vistaのセットアップを支える展開テクノロジー(1/3 ページ)

Microsoftは、Vistaにおいてイメージベースのセットアップをサポートする新たなツールキットを提供する予定だ。しかし、依然として多数のコンピュータへの展開は複雑であり、イメージ作成およびテストには投資が必要だ。

» 2006年06月20日 07時00分 公開
[Michael Cherry,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 Microsoftが提供するWindows Automated Installation Kit(WAIK)には、Vistaのセットアッププロセスをサポートするツールのほか、イメージベースの展開についてのドキュメントとガイダンスが含まれる。このキットは、コンピュータメーカーやシステムインテグレータに提供しているOEM Pre-installation Kit(OPK)と同じ性質のものだ。OPKはWindowsの導入や各メーカーのハードウェア製品へのWindowsのインストールの支援を目的としているが、WAIKはコンピュータメーカーやシステムインテグレータ、企業ITプロフェッショナルがWindowsを新しいハードウェアに展開する際に使用する。

新しいテクノロジーおよびツール

 イメージベースのセットアップを支える新しいテクノロジーおよびツールとしては、Windowsイメージ形式と、“ImageX”と呼ばれるツール、Windows System Image Managerがある。

Windows Imaging Format(.wim)
 Vistaでは、SMS OS Deployment Feature Packにおいて初めて導入されたファイルベースのイメージ形式の新版が使われる。イメージを修正したり編集できるというメリットのほかに、ファイルベース形式では“シングルインスタンス”保存を実現できる。つまり、同じファイルの複数のコピーがディスク上にある場合、イメージにはそのファイルの1インスタンスのみを保存する。これにより、各イメージのサイズを削減することができる。

ImageX
 ImageX(暫定ドキュメントではXImages)は、マスターコンピュータからのイメージのキャプチャ、イメージの圧縮、編集を行うためのイメージのマウントに使用するコマンドラインツールである。Vista Business ProfessionalのリテールパッケージなどVistaの標準の配布パッケージには、製品のインストールに必要なイメージが搭載される見込みだが、ImageXを使用すると、Windows XPまたはWindows Vistaと社内で使用するアプリケーションをパッケージ化したイメージをマスターコンピュータからキャプチャできる。ImageXを使用して作成したイメージは、DVDなどのメディアやネットワークドライブからインストールすることも、配布ツールを利用してインストールすることもできる。対応予定のツールは、2006年後半にリリースが予定されているSMS OS Deployment Feature Packの新版と、Vistaと同時期にWindows Server 2003の機能パックとしてリリースされる予定のWindows Deployment Servicesがある(Windows Deployment Servicesは、現行のリモートインストールサービスの後継で、Windows“Longhorn”Serverに完全に統合される予定のツールである)。

Windows System Image Manager
 System Image Managerは、保存したイメージやセットアップに必要なそのほかのファイル(サードパーティのハードウェアアップデートやセキュリティアップデートなど)の管理と、無人インストール用のアンサーファイルの作成および編集に使用するグラフィカルツールである。

 System Image Managerを使用すると、より柔軟にイメージを管理できる。たとえば、Microsoftがセキュリティ更新プログラムをリリースしたときに、マスターコンピュータに更新プログラムをインストールして新しいイメージを作成することも、ネットワーク上の配布ポイントに更新プログラムをコピーし、アンサーファイルを変更してセットアップの実行中に更新プログラムが適用されるようにすることもできる。中間アップデートをインストールプロセスに組み入れるようにすれば、すべての更新プログラムを総括したサービスパックがリリースされるまで、マスターイメージの再作成を保留することもできる。

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