オープンソースCMSの選定Leverage OSS(1/2 ページ)

個人、企業を問わず、Webを使って情報を公開するのであれば、その目的に合ったコンテンツ管理システム(CMS)を使いたいものだ。ここでは、さまざまな目的ごとにオープンソースのCMSを一挙紹介しよう。

» 2006年06月28日 09時13分 公開
[ Michael-Stutz,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 最近は、ブログやオンライン日記が習慣化している個人から、大がかりなニュースやポータル、マガジンのサイトを運営する会社に至るまで、誰もがWebを使って情報を公開しているようだ。彼らは皆、そのためにデータベースを備えたコンテンツ管理システム(CMS)を利用している。CMSの選択肢は数多くあるが、よく知られているのは、Drupal、Mambo、Bricolage、WordPress、Ploneあたりだろう。基本的な機能はどれも似ているとはいえ、どれか1つに決めなくてはならない。さて、どのように選べばよいだろうか。

 基本的に、これらのシステムはすべて、コンテンツが含まれたデータベースの管理を行い、(通常はWebベースの)入力手段を提供して、テンプレートおよび設定ファイルの指定に従ってデータベースからWebページを出力する。より手の込んだものは、複数の出力フォーマットのほか、アクセス制御やバージョン管理にも対応し、旧来の印刷出版の多忙な過程に見られるような制作の「ワークフロー」に基づいて構築されている。

 いつでも独自のCMSを構築することができるが、必ずしもすべてが一緒になったシステムを使う必要はない。依然として手作業でコーディングしたHTMLのスタティックページで個人のブログを公開する少数派の人々がおり、m4やprocmailのようなコマンドラインツールを使った自分流のやり方にこだわる人もいる。だが、利用可能なオープンソースのCMSソリューションを使えば、もっと状況は楽になるだろう。

何を求めるのか

 CMSを検討するにあたり、答えておくべき最初の質問の幾つかを以下に示す。

  • どのようなライセンス形態か? 
  • 使用できる言語や環境は? 
  • どのくらい長く使われているか? 
  • 現在も開発が進められているか? 
  • どんなユーザーが使っているか? 
  • サポートを受けられるか? 

 求めているのは、オープンソースライセンスのシステムであって、使っている環境に準拠した要件を備えたものだ。ほとんどのオープンソースCMSパッケージは、GPLのライセンスに従っており、LAMP(Linux、Apache、MySQL、PHP)の環境で動作する。

 ほぼすべてのCMSのホームページでは、どんな用途にも使えることを謳っているが、実際に何ができるかを知るには、ほかの人々による利用例を調べるのが一番手っ取り早い。CMSを評価するなら、実際にそのCMSを使っているサイトへのリンク先を参照すればよい。例えば、Mamboの場合、小さな会社による見栄えの良いサイトがたくさん見つかるはずだ。大部分のCMSのホームページには、こうした利用サイトの一覧が用意されているが、Textpatternのサイトにあるようなデザインマガジンは、すべてのCMSにあるわけではない。

 続いて、検討対象のCMSソフトウェアの開発が打ち切られていないことを確認する。また、リリースされてからしばらく時間が経過しているか、あるいはバージョン1.0を先週リリースしたばかりの新しいプロジェクトなのかも確認しておくとよい。ビジネスに使う場合は、何らかのサポートが受けられることを確認する。例えば、Bricolageは、制作の第一人者による商用サポートのしくみを提供している。また、TYPO3 Associationでは、同プロジェクトのソフトウェアをサポートするコンサルタント業者の一覧を用意している。

 CMSの選定は、自動車の購入やテキストエディタの選択に似ている。集めた情報を目を通して機能の一覧を眺めれば自分の好みの検討は付くが、すぐにほかのものに目移りしてしまう。実際に幾つかを試してみるまでは、どれが本当に適切なのかを知ることはできないのだ。

 幸いなことに、実際にシステムを試す簡単な方法がある。Open Source CMSというサイトを利用すれば、そこにあるオープンソースCMSシステムのどれでも、デフォルトのインストール環境のデモを動作させることができ、2時間ほどかければ、100を超えるシステムすべてのデモにアクセスすることが可能だ。

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